ベッカムのもたらす経済効果に周囲も一喜一憂…<br>【Photo by B.O.S.】

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 先日、デイビッド・ベッカムのイングランド代表復帰が発表されたことについて、LAギャラクシーのGMであるアレクシー・ララス氏が懸念を表明した。ララス氏は、『BBC』のインタビューに応じ、すでに獲得が決まっているベッカムの代表選出は歓迎するものの、不必要な親善試合への出場には難色を示した。

「選手が国を代表してプレーするのを邪魔するつもりはないが、不必要な親善試合へのプレーで長期間チームを離れてもらっては困る。ただし、ベッカムの代表招集は素晴らしいこと。彼がイングランドを代表する選手であることは誰の目にも明らかだ。レアル・マドリーで素晴らしいプレーを披露しており、現時点で世界最高クラスの選手だ」

 一方ララス氏は、ベッカムの代表復帰がクラブの経営面にもたらす影響についても懸念。元アメリカ代表選手の経歴を持つララス氏は、代表チームでプレーすることの意味に理解を示しながらも、ベッカム加入の発表後、すでに数千枚のシーズンチケットを売ったクラブ事情も考慮しなければならないと語る。

「ビジネス面での対応も必要となるが、我々のクラブに所属する選手がイングランド代表に選ばれることは素晴らしいことだ。代表戦でチームを離れることで、経営的に影響を受けることは確かだが、代表戦の重要度について関係者は理解しているはず。スター選手を獲得するということは、国内の試合だけでなく、国際試合への責任も負うということだ。ただし、代表に送りだすからには、意味のある公式戦であるべきで、不必要な親善試合であっては困る。ビジネスの側面から言えば、我々は“デイビッド・ベッカムが所属するギャラクシー”という前提でプロモーションを展開している。多くの人がギャラクシーでプレーする彼の姿を待ち望んでいるんだ。ただし、スケジュールさえ合えば、代表でプレーしてもらうことにまったく問題はない」

 ベッカム入団の効果を熟知するララスは、代表選出がもたらす付加価値と、代表戦によるチーム離脱がもたらす影響を天秤にかけている様子だ。現在、国内リーグで優勝争いを繰り広げるレアルで、素晴らしいパフォーマンスを披露しているベッカム。その活躍は、チームメイトのFWルート・ファン・ニステルローイが「デイビッドが今年限りで移籍してしまうのは残念だ。LAギャラクシーに頼んで、レンタル移籍でもう1年レアルに残って欲しい」と語るほど。いまだトップレベルでプレーできることを証明したベッカムは、今後も代表に選出される可能性が高いだけに、ギャラクシーとイングランド・サッカー協会の間で激しい駆け引きが繰り広げられることになりそうだ。