ようやくの代表復帰を果たしたベッカム、一時はミラン移籍に心が傾いたことを打ち明けた<br>【Photo by Kiminori SAWADA】

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 イングランド代表のスティーブ・マクラーレン監督は26日、ブラジルとの親善試合(6月1日)および、ユーロ2008予選のエストニア戦(同6日)を戦うイングランド代表のメンバーを発表。ドイツ・ワールドカップ終了後の監督就任以降、構想外としていたMFデイビッド・ベッカムを初めて選出した。

 現在、予選E組でクロアチア、ロシア、イスラエルに次ぐ4位と、本大会出場が危うい状況のイングランド代表。勝点3以外は許されないエストニア戦を前に、ベッカム招集に踏み切ったマクラーレンは、「一時的な復帰では?」との憶測に、「勝利が必要なエストニア戦では、経験豊富な選手が必要となる。その意味で、デイビッドは最適な人材だ。しかし、今回のメンバーは将来を見据えたメンバーでもある」と、エストニア戦後も引き続きベッカムを招集する可能性を示唆した。

 一方、今シーズン限りでレアル・マドリーを退団し、アメリカのLAギャラクシーへ移籍するベッカムも、代表でのプレー続行に自信を見せている。

「LAでプレーすることで、身体のキレは良くなるはず。今よりも、状態は良くなるんじゃないかな。湿度の高いアメリカでのトレーニングは、かなりキツイからね。だから、今後も代表でプレーを続けることが出来ると思っている」

 一方、アメリカ行きを決断する際、欧州のビッグクラブからもオファーを受けていたというベッカムは、中でもACミランからの熱烈なラブコールには、心が傾きかけたと明かしている。

「ミランに『ノー』と言うのは、非常に辛かったね。世界的なビッグクラブだし、監督や会長も素晴らしい人物だ。それに、ロニー(ロナウド)も移籍したばかりだったから。誘いを受けて凄く光栄に思ったし、一度は心が傾いたのも事実。でも、最後は家族を優先してアメリカ行きを決断したんだ。一度はイタリアでプレーしてみたかったんだけどね。サッカーが盛んなのはもちろん、食事やワイン、そしてファッションなど、僕が好きなものがすべて揃っている国だから…」

 LAギャラクシー移籍の発表以降、一時はレアル・マドリーで出番を失っていたベッカムだが、今や国内リーグの優勝を争うチームの中心的な働きを担うようになり、遂には念願のイングランド代表復帰まで果たした。欧州のビッグクラブからの誘いを断って決断したアメリカ行きは、今のところ吉と出ていると言えそうだ。