バイエルン・ミュンヘン所属のイングランド代表MFオーウェン・ハーグリーブスは、マンチェスター・ユナイテッドへの移籍が大詰めを迎えていることを明らかにした。バイエルンとマンUは、ハーグリーブスの移籍について既に基本合意に達しており、移籍金の金額も1700万ポンド(約40億円)に落ち着くとみられている。

 自身の去就について、『BBC』のインタビューに答えたハーグリーブスは、「本当に長かった。今週には、さらに進展があると確信しているよ」と、母国イングランドでのプレーがようやく実現しそうな展開に胸を撫で下ろしている。
 
 昨夏と今年1月の移籍マーケットで、ハーグリーブス獲得に乗り出しながら、バイエルンの強い反発から2度とも獲得を断念していたマンU。一方、バイエルンに10年間所属したハーグリーブスも、2006年のドイツ・ワールドカップにイングランド代表として出場したことをきっかけに、母国でのプレーを希望。今シーズンは、ケガの影響でわずか9試合の出場に留まっていたが、シーズンを4位で終え、チャンピオンズ・リーグの出場権を逃したバイエルンについて、「このチームがチャンピオンズ・リーグ出場を逃すことなど許されない」と発言。マンUへの移籍希望を公の場で繰り返し発言していた。

 一方、長らくチームの守備的MFを務めたハーグリーブスを失うバイエルン側の反応は様々だ。会長のフランツ・ベッケンバウアーは、「オーウェンの移籍はほぼ確実だ。いい移籍になりそうだ。金銭面でも悪い話ではない」と移籍に前向きなコメントを発表。一部報道では、ハーグリーブスの移籍金で、チェルシーのアリエン・ロッベン獲得に動くとも伝えられている。しかし、カール=ハインツ・ルンメニゲ社長は、「ハーグリーブスがいれば、来シーズンの我々は素晴らしいチームを作れたはずだった。オーウェンは、世界でも最高レベルの守備的MFだ。非常に大きな損失となる」と語っている。

 長らく続いた移籍交渉の末、ようやく母国への帰郷を決めたハーグリーブスは、今シーズンのプレミアで覇権奪回に成功し、黄金期の再現を狙うマンUにとっても欠かせない人材。来シーズンのプレミアリーグでは、カナダ生まれ、ドイツ育ちのイングランド代表が、母国のピッチで躍動する姿が見られそうだ。