インテルのMFパトリック・ヴィエラは、アーセナルのアーセン・ベンゲル監督が今オフに退団する可能性が高いと語った。

 ベンゲル退団の根拠としてヴィエラが挙げたのは、長らくアーセナルの副会長を務めたデイビッド・デインの退団だ。デインはベンゲルをロンドンに招聘した張本人であり、2人はプライベートでも親しい友人として信頼関係を築き上げていたという。そんなキーパーソンは先日、アーセナル買収に乗り出した米国人富豪スタン・クロエンケ氏の扱いを巡り、クラブ首脳陣と対立。クロエンケ氏のアーセナル買収計画を後押ししたデインは、追われる形でクラブを去ったのだった。

 デインの退団に、初めは耳を疑ったというヴィエラ。アーセナルで9年間プレーし、キャプテンも務めたフランス代表MFは、同志を失ったベンゲルが退団の道を選ぶ可能性を指摘している。

「ベンゲルとデインは長年コンビを組んで仕事をしていたからね。アーセンが今のままアーセナルで契約を全うするとは思えないんだ。僕でさえ、デインの退団を聞いたときはショックを受けたから。初めはまったく信じられなかった。本当のことかどうか、何度も聞いて回ったくらいさ。彼は長年アーセナルに尽くしてきた人だった。それなのに、あんなにあっさりと退団が決まってしまった。ベンゲルにとっては受け入れ難いはずだよ」

 さらにヴィエラは、ベンゲルが退団を決意した場合、FWティエリ・アンリも移籍の道を決断するだろうと語る。同郷の指揮官の下、アーセナルで一時代を築いたMFの発言だけに、その信憑性は侮れない。今オフのガンナーズには、大変革の波が訪れるかもしれない。