【竹林 正樹】衝動買いが止まらない人は「指に絆創膏を貼る」…行動経済学の専門家が伝授「脳をコントロールする」方法
私たちの思考や行動は、目に見えない「思い込み(認知バイアス)」に大きく左右されています。この章では、あなたの行動の裏に潜む「認知バイアス」をひも解いていきます。
認知バイアスは200以上の種類があり、すべての人が何らかの認知バイアスを持っています。そして、「どの認知バイアスが強いか」によって、判断や行動パターンに違いが生まれます。認知バイアスを4つのタイプに分類して、詳しく紹介します。
本記事は竹林正樹著『すぐやる人の脳のクセ!科学的に自分を動かす62のコツ』(飛鳥新社)より再編集したものです。
あなたはどのタイプ?
Aタイプ:繊細タイプ
繊細タイプの人は、慎重な反面、つい物事の悪い面に目が行ってしまいます。「得をすることのうれしさ」よりも、「損をすることのショック」のほうを、2倍以上強く感じる心理が損失回避バイアスです。たとえば、1万円のギフトカードをもらったときの喜びよりも、そのギフトカードを使おうとしたら前日に期限が切れていたとわかったときのショックのほうがずっと大きいと感じるのが、このバイアスの特徴です。損失回避バイアスが強すぎると、新しいことにチャレンジしたほうがいい場面でも、「失敗したらどうしよう」という不安が強いせいで、行動できません。結果として、せっかくのチャンスを逃してしまうことがあります。
また、アンケートで99パーセントの人が「満足」と答えていても、たった1パーセントの「不満」の内容が気になってどうしようもなくなるのが否定的バイアスです。本を読んでも誤字脱字をチェックしたり、仕事では人のミスばかりに目がいってしまったりと、物事を減点方式で見たくなります。
Bタイプ:協調タイプ
協調タイプの人は、伝統や協調を重んじるという面があります。同時に、「現状維持の判断が多いため、やらなかった後悔が残る」ということにもなり得ます。
スマホを見はじめると、大して面白くなくても見続けてしまう。使っていなくても漫然とサブスクリプション契約を継続する。これらは「新しいことに手を出して、面倒なことが起きたら嫌」と考え、変化しないことを正当化する現状維持バイアスの影響です。
また、食べ放題で「元を取らなきゃ」とお腹いっぱいでも無理して食べたり、うまくいかない物事に「ここまでやったんだから」と追加でお金や時間をかけたりしてしまうのがサンクコストバイアスです。
Cタイプ:今を生きるタイプ
今を生きるタイプの人は、目の前のことに集中できる一方、「あのとき、もう少し先のことを考えておけばよかった」と後悔することもよくあります。目先の欲に弱く、将来の利益より今の快楽を優先してしまうバイアスが現在バイアスです。これらの認知バイアスが強いと、勉強しようとしてもスマホに手が伸びたり、靴に小石が入っているだけで出かける気がなくなってしまったりする現象が起きます。
Dタイプ:想い重視タイプ
想い重視タイプの人は、「自分の想い」を大切にする情熱的な傾向があります。しかしその想いが相手にうまく伝わらず、すれ違ってしまうこともあります。「あなたの運転技術は平均より上ですか?」という調査では、約9割が「はい」と回答しました。しかし、統計学に基づき運転技術が正規分布するとすれば、平均より上の人は半数以下。つまり、約4割の人が自信過剰バイアスの状態にあったことになります。
衝動買いを止める仕掛け
タバコをやめることと同じくらいむずかしいのが「ダイエット」です。いくら食事制限や運動をしても、ついお菓子を食べてしまえば、ダイエットは成功しません。お菓子を買った人のほとんどは、そのお菓子を食べます。つまり、ダイエットの成否は、買い物の段階である程度決まってしまうのです。
そこでオススメしたいのが、利き手の親指にカラフルな絆創膏を貼ることです(リマインドナッジ)。買い物かごにお菓子を入れる際に、「今、私はダイエット中」と思い出すことでお菓子の衝動買いに歯止めがかかります。絆創膏を貼っても誘惑に負けそうなときは、利き手の親指や絆創膏に油性ペンで直接「ダイエット」と書くのがいいです。
また、何度もこういう後悔をしてしまう人は、「買うものリスト」と「予算」を事前に決めておくのが効果的です(財源ナッジ)。多くの人は、「予算の枠内でやりくりしたい」という心理傾向(心理的会計バイアス)を持っています。普段は、理性的判断が苦手な人でも、脳はお金のことはシビアに考えるため、ムダ使いにブレーキをかけることができるのです。事前に「買うもの」と「予算」を決めておくだけで、衝動買いは自然と減らせます。
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