チャンピオンズリーグ(CL)のグループリーグを無敗で勝ち上がり、優勝候補の一角に挙げられるリヨンが21日、決勝トーナメント1回戦でASローマと対戦し、無得点で引き分けた。

 セリエA2位のローマ対リーグ・アン首位のリヨンという強豪対決。リヨンのウリエ監督が試合後に評したように、緊迫感にあふれ、実力の拮抗した「CLらしい一戦」(レキップ紙)となった。お互いにリズムをつかみかけては、相手にもちこたえられる、という展開の繰り返しだった。

 両チームとも決定的な好機は、二人のエース、トッティ(ローマ)、ジュニーニョ(リヨン)のフリーキックから生まれたが、ともにゴールキーパーの好セーブによって得点はならなかった。

 スコア通り互角といえる試合内容ではあったが、レキップ紙の分析を見る限りでは、ボールの支配率(51%/49%)、シュート数(16本/9本)、ゴール枠に飛んだシュート数(5本/2本)で、リヨンが若干優勢の試合だったといえる。

 緊迫した試合だけに、両チーム合わせて11枚のイエローカードが乱れ飛んだ。警告を受けたのはASローマ側が8人と圧倒的に多い。うち3枚はシミュレーションだった。イタリア役者たちの“名演技“に、ライリー主審(英国)の警戒がよく働いたようだ。主審の判断が物議をかもしたリール対マンチェスター・ユナイテッド戦の翌日だっただけに、フランスではジャッジに注目が集まった一戦でもあった。

 試合後カナル・プリュス局のインタビューで、「リール戦をテレビで観て非常にがっかりした」というジュニーニョは、この試合についても、いくつかの判定に不満を唱えた。ウリエ監督は相手DFフェラーリの「ハンド」(フリーだったマルダへのロングパスを手で止めた)が見過ごされたことを悔やんだが、シミュレーションを見抜いた主審を讃えた。各メディアとも乱戦になり得た試合をよくさばいた主審を高く評価している。ただし不発に終わったリヨンのFWフレッヂだけは、「主審は警告を出しすぎ。プレーを止められるのが多すぎてリズムがつかめなかった。あれで英国人だというので驚いた」と異なる見方だ。

【2月22日:欧州通信】