マンチェスター・ユナイテッドのアレックス・ファーガソン監督は24日、FWヘンリク・ラーションのレンタル期間を延長しない意向を改めて明言した。

 スウェーデンのヘルシンボリからマンUにレンタル移籍中のラーション。契約期間はスウェーデンリーグの中断期間のみで、レンタル移籍は3月12日で満了を迎える。しかし、加入直後からマンU攻撃陣をリードするベテランFWの残留を望む声は大きく、一時はシーズン終了までの契約延長も伝えられた。

 しかし、ラーション自身は「スウェーデンに仕事を残している」と、契約どおりヘルシンボリへ戻る姿勢を崩しておらず、ファーガソンも契約延長をオファーすること自体が「ヘルシンボリに失礼だ」と語っている。

「当初から言っているが、ヘンリクとの契約は3月12日までだ。契約延長を考えたことはない。なぜなら、私はレンタル移籍を認めてくれたヘルシンボリ側の好意に感謝しているし、彼らに敬意を払っているからだ」

 一方ファーガソンは、ラーションが若手選手に与えた影響力の大きさを強調。このベテランFWのサッカーセンスを大絶賛している。

「若手選手にとって、ヘンリクは格好のお手本だ。彼の動きやタイミング、そしてその熱意には見習うべき点が多い。先週のリール戦で、彼は意識的に中盤に下がってプレーしていた。チームのポジショニングが崩れていたからね。これだけでも、ヘンリクの戦術眼がいかに優れているかが分かるだろう。ウチの選手も、ヘンリクにはいつも驚かされていた。本当にインテリジェントなプレーヤーだからね。もう何年もこのチームでプレーしていたように錯覚するほどだった」

 短期間ながら、マンU攻撃陣を活性化させたラーション。シーズンを振り返った時、このスウェーデン人FWが在籍した2ヶ月半が、マンUにとってのターニングポイントとして評価される可能性は大きいだろう。