【ネコハラ】マンゴー農家の女性が続ける“地域猫活動”「かわいそうな猫をなくしたい」200匹を新しい家族の元へ 活動実り…行政も地域猫活動に前向きに
ネコから作業を邪魔されるネコのハラスメント、「ネコハラ」を受けられるコワーキングスペースが指宿市にあります。ここで暮らす約60匹のネコたちは、みな元野良ネコや捨てネコです。
「かわいそうなネコをなくしたい」保護活動を続ける女性が描く、人とネコが共生する未来のかたちとは。
指宿市でマンゴー農家として働きながら、保護ネコ活動を続けてきた鍵山めぐみさん。きっかけは、農園に住みついていた野良ネコとの出会いでした。
「飼おうと思って野良ネコを拾ったが早くに死んでしまって、その子にできなかったぶんをほかの野良ネコにしてあげたいと思ったのがきっかけ」
これまで約200匹のネコを新しい家族の元に送り出してきました。
(間世田桜子キャスター)
「車で10分ほどの場所にやってきました。出迎えてくれるのは、かさご店長です」
鍵山さんが運営するカフェ「はちわれ農園」。コワーキングスペースに出すにはまだちょこっと早いネコたちが暮らしています。
(子ネコを保護・肥後美咲さん)
「いるいる。わー、元気元気。すごいね、やんちゃだ。少し大きくなったね」
ネコを保護したけどどうすればいいのかわからない。この場所は、そんな人たちのよりどころにもなっています。
(子ネコを保護・肥後美咲さん)
「ご飯も食べられないし、目も開かないしどうしたらいいのかわからなくて(鍵山さんに)連絡したら夜10時半ぐらいだったがすぐ駆けつけてきてくれて」
ワクチン代や医療費は、年間200万円。その負担を支えているのは、クラウドファンディングやグッズの購入など、さまざまな形で寄せられる支援です。
現在、80匹ほどを保護していますが、さらに多くのネコを受け入れるため、半年前に空き家を購入。現在はリノベーションの真っ最中です。
(鍵山めぐみさん)
「ちょっと出てこようとするので…」
(間世田桜子キャスター)
「出てきた。失礼します。前と変わりましたね」
(鍵山めぐみさん)
「そうですね、だいぶ変わりました」
走り回ったり、日の当たる場所でひなたぼっこしたり。ネコたちものびのびと過ごしていました。現在この場所では、1歳から3歳ほどの24匹が暮らしています。
(間世田桜子キャスター)
「素敵なキャットタワー」
(鍵山めぐみさん)
「すごく柱に登るので。キャットタワーをと思って準備したんですけど全然キャットタワーは登らず柱にばっかり登って」
これまで多くのネコを里親の元へと送り出してきた鍵山さん。新しい家族が見つかるまでは1匹1匹に名前をつけ、愛情をかけて世話をしています。最近つけた名前は、“自動車シリーズ”。
(鍵山めぐみさん)
「この子がホンダ。この子はフィアット。この子はちょっとまだシャー(威嚇状態)なんですけどマツダ。この子はメルセデスです。アルファードは、最初すごく怒ってましたけど今は触れるぐらい。今一番怒るのが三菱です」
保護された直後は、多くのネコが警戒して人に近づこうとしません。
(鍵山めぐみさん)
「ずっとシャー(威嚇状態)の子は無理して触るのも逆にストレスになったりする。腰のあたりとか、顔から遠い位置から始めて撫でてみたり、だんだん顎の下とか撫で始めると気持ちよくて、甘えてくるように。その子によって全然進み方も違う」
今後、この場所を人とネコが触れ合える空間にする予定です。
(鍵山めぐみさん)
「自然の中で生きている子たちが本当は人間に保護されるのが嫌かもしれないというのは思うこともあるが、結局ほとんど9割以上の子が人を好きになってくれる。ネコにとってもただ食べ物がもらえるだけじゃなくて環境として安心して過ごせる場所に連れてきてあげられているのかな」
一方で、保護できる数には限りがあります。そこで、鍵山さんが目指すのが、「地域ネコ活動」です。
野良ネコに避妊・去勢手術を行い、地域全体で見守ることで、生活トラブルや殺処分、行政コストの減少も期待でき、すでに取り組んでいる自治体もあります。
(鍵山めぐみさん)
「1か所、指宿で地域ネコ活動をやってみて、成功するケースを作り、それでうまくいけば、多分皆さんの理解が得られていくと思う」
そんななか、鍵山さんに嬉しいニュースが。指宿市が、地域ネコ活動を推進する方向へと舵を切ったのです。鍵山さんは、数か月にわたって市の担当者と話し合いを続けてきました。
(指宿市役所 市民福祉部環境政策課 西山友基主任)
「鍵山さんが熱心に活動していただいているという声もありますし、考えるひとつのきっかけにもなった」
鍵山さんの熱心な活動を受け、指宿市は来月、地域ネコ活動のための初めての住民説明会を行うことにしました。
市民の理解が得られれば、町ぐるみで地域ネコ活動を進めていく方針です。
(鍵山めぐみさん)
「達成感を感じるところまではまだ至らないが、すごく心強い思いをしている」
鍵山さんが描く未来。
(鍵山めぐみさん)
「かわいそうなネコが一匹もいなくなるということ。ネコが好きな人も嫌いな人ももちろんいるんですけど、そういった方もネコがそこにいることを許してもらうというか、認めてくれて、みんなが見守ってくれる社会になったらいいなとは思う」
その願いを胸に、今日も鍵山さんはネコたちの“居場所”を守り続けます。
