国内乗用車メーカー8社は25日、2006年11月の生産・販売・輸出実績(速報値)を発表した。ホンダ<7267>とダイハツ<7262>が国内・海外生産、国内販売と輸出の4部門ですべて前年同月実績を上回った。国内販売は前年実績を上回った社と下回った社の明暗が分かれる結果になった。

 ホンダの生産台数は、前年同月比15.0%増となった国内が6カ月続、海外も16カ月連続して前年実績を上回り、11月単月としてはともに過去最高の生産台数を記録した。販売も、登録車が8カ月連続で前年割れとなったが、好調の軽自動車に支えられ、2カ月ぶりに前年同月を上回った。輸出は北米向けの増加により、6カ月連続で前年プラスとなった。ダイハツも好調で、国内生産は9カ月連続前年を上回り、11月としては過去最高となった。海外生産もインドネシアでの増加が手伝って、17カ月ぶりに前年同月の実績を上回った。

 生産では各社前年を上回るなか、富士重<7270>が国内(同8.7%減)、海外(同3.6%減)と不調だった。日産<7201>は国内生産で同4.9%減だったが、海外で1.3増と前年を上回った。ホンダに続いてトヨタ<7203>も、国内生産が14.1%と2けた増で15カ月連続して前年を上回り、11月としては過去最高となった。スズキは国内・海外ともに11月単月で過去最高を記録した。

 明暗が分かれた販売では、ホンダと三菱<7211>、富士重、ダイハツがそれぞれ前年を上回り、トヨタと日産、マツダ<7261>、スズキ<7269>がいずれも前年割れとなった。軽を除くトヨタの市場に占めるシェアは49.4%と12カ月連続で前年を上回り、単月としては過去最高。対照的に、「スカイライン」が好調だった日産は、14カ月連続で前年を下回った。

 各メーカー2けた台で前年実績を上回った輸出は、日産が前年同月を2台下回る横ばい。富士重は運搬船のスケジュールから、欧州・中近東向けの出荷の一部が次月にずれたことなどが要因で、25.5%減と2カ月ぶりに前年を下回った。

      ◇11月の乗用車8社の生産、販売、輸出実績◇

生産国内販売輸出
社名国内海外
トヨタ385,70314.1%350,30010.5%141,294-1.7%243,47633.6%
日産106,163-4.9%185,5741.3%53,205-6.3%56,3680.0%
ホンダ126,53415.0%202,2588.1%57,8910.9%54,25341.6%
マツダ85,7543.5%26,828-6.6%18,378-5.6%66,97214.8%
三菱71,68513.2%47,041-20.9%21,2890.8%43,26445,6%
富士重38,775-8.7%9,994-3.6%19,0761.2%27,226-25.5%
スズキ101,9381.9%113,45722.8%55,729-5.5%33,27031.8%
ダイハツ73,6798.8%4,636114.2%50,2501.414,12649.0%
(単位台、カッコ内は前年同月比増減)
【了】

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