バルト海で海底光通信ケーブル2本切断 破壊工作の疑いも
Johan Ahlander
[ヘルシンキ/ストックホルム/ビリニュス 18日 ロイター] - 北欧のバルト海で18日までに2本の海底光通信ケーブルが切断状態になり、意図的な破壊工作の疑いも浮上している。
このうち1本はフィンランド首都ヘルシンキとドイツのロストクをつなぐ全長1200キロのケーブルで、運営主体のフィンランド国営企業シニアによると、18日0200GMT(日本時間午前11時)ごろに稼働を停止した。
もう1本は全長218キロでリトアニアとスウェーデンのゴットランド島をつなぎ、スウェーデン通信企業テリアのリトアニア子会社が運営しているが、17日0800GMT(同午後5時)ごろに稼働しなくなった。
フィンランドとドイツは共同声明で「海底ケーブル切断について深く懸念」しており、故意に損傷を与えられた疑惑が持ち上がっていると説明。欧州の安全保障はロシアのウクライナに対する戦争と「悪人によるハイブリッド戦争」に脅かされていると強調した。
その上で「われわれの重要な共有インフラを守ることは、欧州の安全保障と社会の耐久力にとって絶対に欠かせない」と述べた。
シニアのクナーピラ最高経営責任者(CEO)は会見で、ケーブル切断箇所はスウェーデンのオーランド諸島南部付近で、復旧には5―15日かかる可能性があるとの見通しを示した。