6歳で学童チームでプレーするヒナタ君【写真:家族提供】

写真拡大 (全2枚)

6歳で兵庫の学童軟式野球チーム「岩岡サニーズ」でプレーするヒナタ君

 野球人口が減少するなか、SNSを通じ「少年野球の輪」を広げる活動を行っている。インスタグラム「hinata_06_baseball」で、6歳の息子・ヒナタ君の成長記録を綴っているのが、元球児の“野球パパ”。同世代の悩みを解決するため全国を駆け巡り、野球界の発展を願っている。

 ヒナタ君の父は高校時代に兵庫・育英の軟式野球部で主将を務め、国体で優勝経験を持つ実力者だった。関学大では準硬式野球部に所属し、その後は「僕も肩肘の怪我で苦しんだ。そういった子どもたちをなくしたい」との思いから「関メディベースボール学院・トレーナー科」に進み、基礎から専門知識を学んだ。

 本格的なプレーヤーは引退したが、趣味で草野球は続けていた。家庭を持ちヒナタ君が生まれると、週末は一緒にグラウンドに向かい野球を楽しむ日々。だが、2022年11月に息子から「パパに野球やめてほしい」と告げられたという。

「突然、言われたので戸惑いました(笑)。でも、理由を聞くと『僕が野球をやりたい。チームに入りたい』と言われて。そこが本当の引退のタイミングで、これからは息子のサポート役になることを決めました。当時は息子が4歳。受け入れてくれるチームを探すところからスタートしました」

インスタグラムで“2018年世代”のコミュニティ「2018 ドッグスターズ」を開設

 自宅から通えるチームを探していると、兵庫・神戸市で活動する学童軟式野球の「岩岡サニーズ」が快く受け入れてくれた。小学生に交じり白球を追いかけ、練習試合にも出場することは可能。ただ、リーグ規約の関係上、小学1年生(ヒナタ君の場合は2025年から)までは公式戦に出場できない。

 それでも、全力でチーム練習に取り組み、平日は自宅でアジリティトレーニングなど野球まみれの日々を過ごしている。親主導ではなく「野球が上手くなりたい」と、ヒナタ君が率先して行動する姿に「好きなことにはとことん付き合ってあげる」と、父親として時間が許す限りサポートし続けている。

 野球の技術、体の使い方、食事など探求心が尽きることはない。野球を続けるなかで「同い年の子ども、親はどのように過ごしているのか?」と、感じインスタグラムなどのSNSを覗くと、同じような悩みを抱える“2018年生まれ世代”がいることを知ったという。

 そこで、同世代の野球キッズを盛り上げるコミュニティ「2018 ドッグスターズ」をインスタグラムで開設。個々の練習方法などを共有し、今年10月には岡山で合同練習も開催された。来年には全国の交流会も予定しているという。SNSを通じ自ら行動を起こした1人の野球パパは、これからも微力ながら少年野球界を盛り上げていく。(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)