銀メダルで目を隠す三浦璃来。後ろは木原龍一

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 「フィギュアスケート・NHK杯」(9日、国立代々木競技場第一体育館)

 ペアはSP首位の三浦璃来(22)、木原龍一(32)組(木下グループ)がフリー2位の合計209・45点で2位となり、GP6戦の総合成績6位までで争うファイナル(12月・フランス)に2年ぶりに進出した。

 曲が鳴りやむと、木原はぺろりと舌を出し、右人さし指で「1」をつくって苦笑いした。“大きなミスはスピンの一つだったね”の意味だった。グランプリ(GP)ファイナル進出を決めたが、逆転を許しての2位を悔しがった。

 大過失なく要素を重ねていたが、中盤に2人が組んで回転するスピンで事件が起こった。氷の溝にはまったことで「(回転が)抜けてしまった」と木原。「組んで初めての珍しいミス」と三浦が明かせば、「スピンがなくなった時点でちょっと厳しいかなと(思った)。いいお勉強になった」と木原。氷上の表彰式では溝の跡を捜索した。

 昨季は木原の腰椎分離症でシーズン前半を欠場。今大会は約1年7カ月ぶりの国内試合だった。10月のGP第1戦・スケートアメリカの後に木原が腰に違和感を抱いたため、練習量を落とさざるを得なかった。それでも大崩れしない演技で観客を魅了した。

 腰は精密検査で骨に異常がないことが判明し、「またプッシュをすごくかけられる」と木原。優勝した22年大会以来のGPファイナルへ。「僕たちは元々絶対王者みたいな立場ではなかった。常に追いかけていく立場」と挑戦者のつもりで挑む。