Image: Adriano Contereas - Gizmodo US

10月末に発表、11月8日に発売された新型iMac。M4チップ搭載の2024年モデルです。発売前、ひと足先に使い始めていた米Gizmodo編集部のレビューをどうぞ。

先に締めを言っちゃうと「大型画面とチップのオプションさえあれば…っ!」です。

去年、2年ぶりにアップデートしたiMacを見たときは、なんかノスタルジックな気持ちになりました。

昔から使っていたお気に入り端末がついにモデルチェンジしたぞと、かなり盛り上がりました。が、人間というのは罪深い。今年さらにパワーアップしたというのに、もっと欲しくなっちゃうんだもん。もっとオプションを、もっと馬力を、もっとスクリーンの大きさを!

昨年は若干物足りなさを感じた性能ですが、M4チップを搭載した2024年モデルはしっかりと補われています。これは大きな進化と言っていいはず。でも、もっと欲しくなっちゃう…。

24インチとM4チップオンリー…

今回レビュー端末として手元に届いたのは、最高クラスのモデル。24インチのスクリーンはNano-Textureガラス(+3万円)、10コアCPU、10コアGPU、メモリ24GB、容量1TB(+3万円)。そのお値段は2,300ドル(日本では35万4800円)。

しかし、iMacはオールインワンのデスクトップなので、みんなで使うファミリーパソコンとしての位置付けもあります。その場合はオプション構成を載せることなく、ポート数の少ないベースモデル(19万8800円)で十分かも(このスタートモデルは8コアCPU、8コアGPUなので、家族パソコンとしても、ちょっとプラスしてCPU/GPU共に10コアモデル(23万4800円)にしておくのが個人的オススメ)。

基本のデザインは去年のまま、カラバリも同じ7色展開。24インチの4.5K Retinaディスプレイも、その薄さ11.5mmも同じ。

Image: Adriano Contereas - Gizmodo US

(余談ですが、同梱のMagic Mouseの充電ポートが底にあるの、本当なんとかなりません? 充電しながら使用できないストレスたまらん…)

どのiMac構成を選ぼうが、搭載されているチップはM4のみ。より高性能のチップを求めるなら、M4 ProはMac miniに、M4 MaxはMacBook Proに搭載されています。

…そう、これがひっかかるんですよ、解せないんですよ。より上のチップは存在しているんだから、構成のオプションに入れてくれたらいいのに、と。

実際、レビュー機としてM4搭載iMacを使いましたが、やっぱりもっとパワフルなやつがあってもいいのになと思わずにはいられませんでした。オールインワン端末だからこそ欲しい選択肢。

一方でメモリはベースが16GBなのがよし。これは「Apple Intelligenceのために設計」というくらいなので、当然といえば当然。

ゲーム性能にはさほど期待できず

昨年のM3チップ搭載モデルと比較すると、当然ですが性能は15%から25%ほど、しっかりとベンチマークスコアを上げています。メモリは今年のレビュー機が24GB、去年のレビュー機が8GBなので比較するまでもなし。むしろ比較するのは酷。

M4 iMacでのマルチタスクは申し分なし。1080pの編集・出力も問題なし。テレビ電話だって、ブラウザのタブを10個くらい開きまくったって無問題です。Blenderベンチマークで、BMWのとあるシーンをレンダリングしたところ、かかった時間は2分31秒。M4チップ搭載の14インチMacBookが2分42秒なので、M4はこういうことです。

価格でいうと、昨年モデルよりも少しお得になった印象。ドルベースで比較しますが、2023年モデルを同レベルスペックに構成すると2,800ドル程度、これが2024年モデルだと2,300ドル。チップもアプデされていると思えば、かなりお得だといっていいかと。

去年よりも性能が上がっているとはいえ、ばりばりに動画・画像編集するという人には物足りないと思います。ばりばりAI使うというクリエイターの方は、今回のレビュー機くらい構成オプション上げておけば大丈夫かな。ただ、仕事用でパワーいるぞという人は、M4 Proチップ搭載のMac miniにした方がよし。Mac miniならモニターも好きなやつ選べますし。

Image: Adriano Contereas - Gizmodo US

最近のAppleはゲーム推しですが、今回のM4 iMacに限ってはそんなにアピールされていなかった印象。とはいえ、ライトなゲームであれば問題なし。しかし、やはりゲームに限っていえば、比較的お買い得なゲーミングPCの方がいいんですけどね。

『バイオハザード 4』をプレイしましたが、もちろん問題なし。グラフィップ最適化プリセットで1,080p、フレームレートは平均45から50fps。プレイそのものに問題はないのですが、ところどころのシーンで歪み、ヨレは出ます。性能にコミットすればフレームレートは55fpsほどいきます。

Image: Adriano Contereas - Gizmodo US

『Myst』のプレイでは、フレームレートは平均50から55fps。バイオハザードほど負荷が高くないので、大きな問題はなくスムーズ。

やはり基本は包括的なオールインワンデスクトップなので、ゲームや制作にがっつりコミットしたい人はそちらに全振りした端末を探す方が吉。ゲームするなら、60fpsをコンスタントに出してほしいもんね。

32インチモデルがあったなら…

ディスプレイはね…、待ってるんですよね、32インチを。ただ、噂では2025年まで出ないといわれているので、今は諦めるしかない。

去年のiMacは個人的にも日常仕事用に1年ほど使っていて、大きいスクリーンが欲しいという割には、このサイズで別に困ってはいないんですよ。ただ、それは私がライティング・編集作業が主であって、動画・画像の編集をしているわけではないから。動画を扱う人は、24インチだとセカンドモニターが欲しくなっちゃうと思いますね。

欲しくなっちゃうでいうと、サイズもですが、M4搭載iPad ProのOLEDディスプレイもいいなぁ。これがiMacに来たらなぁ…。

レビュー機は、前述した通りオプションのNano-Textureガラスが付いており、グレアと反射がかなり低減されています。特に強めのライトが当たる場所だと、このグレア低減が直で分かります。使用環境によってはぜひ検討すべきオプションです。

12MPカメラも普通ですが、テレビ通話の際に頭の位置をトラッキングして中心に据えてくれるセンターフレーム機能が重宝します。自分の顔をデスク上を同時に表示させるデスクビューも重宝しています。後者は特によく使っていて、FaceTimeでお互いのレゴ作品を息子と見せ合うときに助かっています。

Image: Adriano Contereas - Gizmodo US
Image: Adriano Contereas - Gizmodo US
Image: Adriano Contereas - Gizmodo US
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完全なオールインワンまであと一歩

去年のM3搭載iMacでも感じたように、今年のM4搭載iMacも完全なオールインワンデスクトップには今一歩足りず。クリエイティブもゲームも、ライト層なら事足ります。が、ライト層ならもうちょっとお買い得な端末でもいいかな。逆にがっつりやるなら、iMacでスペック上げると高くなりすぎちゃう。

やはり構成オプションが豊富ではないのが残念。がっつり層も視野にいれて、スクリーンサイズやチップのオプションがもっとあれば真のオールインワンになれたと思います。今年リリースのモデルなら、パワーユーザー向けはMac miniとMacBook Pro。

一方、端末としての美しいデザインは最高評価。家族みんなの日常の中心にデザインも優れた1台をと思えば、iMacは最適解になると思います。

いいところ:性能よし、価格設定よし

残念なところ:スクリーンサイズにオプションなし、M4 Proオプションなし

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Source: Apple