中学生の自殺について説明する猪名川町教委関係者ら=2024年11月8日午後3時1分、同町役場

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　兵庫県猪名川町教育委員会は8日、町立中学2年生の女子生徒（14）が10月に自殺し、別の町立中学校で以前いじめに遭っていたと発表した。

　自殺の原因がいじめである可能性があるとみて、町教委は第三者委員会を立ち上げて調査を始める方針を明らかにした。

　県警川西署によると、今年10月21日朝、川西市内のマンション敷地内で、生徒が倒れているのを、捜していた母親の知人が見つけた。搬送先の病院で死亡が確認された。転落死とみられ、自宅に遺書のようなメモが残されていたことから署は自殺とみている。

　会見した町教委によると、生徒が中学1年生だった昨年5月下旬から、複数の男子生徒に恋愛感情を抱いているとの事実無根のうわさがSNSに流されたり、生徒の名前で書かれた男子宛ての手紙を30通近く靴箱に入れられたりしていたという。

　同年6月28日、生徒が複数の上級生に同時に告白するといううわさが広がり、校舎入り口に集まった約100人の生徒の前で、捏造（ねつぞう）された手紙が4人の上級生に同時に渡される「公開告白」があった。

　この騒ぎを後で知った生徒は強いショックを受けて翌日から不登校状態になり、同年10月、別の町立中学校に転校した。

　町教委は、学識経験者で構成する町いじめ問題対策審議会に調査を諮問。今年7月にまとまった調査報告書は、同級生1人による一連のいじめ行為を認定した。

　転校後は生徒本人や保護者から、いじめなどの相談はなかったという。ただ4月以降の出席日数は3分の1だったという。

　今後、転校先の学校で、いじめがなかったか調べると同時に、昨年のいじめが自殺に影響していないかなど、第三者委員会が詳しく調査することになるという。

　岡本信司町長は会見で「命を守ることができず、最悪の事態になってしまった。心よりおわびしたい」と謝罪した。（三浦宏）

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