クリエイティブ志向を強めたニコンDXミラーレス「Z50II」 ピクチャーコントロールボタンを新設
ニコンは、APS-Cサイズのイメージセンサーを搭載するミラーレスカメラ「Z50II」を12月13日(金)に発売する。
2019年11月に同社が発売した「Z50」の後継モデル。EVFを搭載した小型軽量なボディというDXフォーマットの特徴は踏襲しつつ、映像エンジンを上位モデルと同等のEXPEED 7にするなどのブラッシュアップが行われている。これにより、下位モデル「Z30」との差異化もはっきりした。
カタログのメインキャッチコピーは「本気であそぼう」。DXフォーマットというカジュアルな立ち位置はそのままに、ピクチャーコントロールを呼び出すボタンを新たに設けるなど、表現へのこだわりを持つ若年層を強く意識したモデルになっている。
市場想定価格
Z50II:14万5,200円 Z50II 16-50 VR レンズキット:16万6,100円 Z50II ダブルズームキット:19万8,000円 Z50II 18-140 VR レンズキット:19万9,100円主要装備
撮像素子は有効2,088万画素のAPS-Cサイズ相当CMOSセンサー。「Z50」と同等のスペックであり、像面位相差AFにも引き続き対応する。
一方、映像エンジンがEXPPED 6からEXPEED 7になったことで、各所で強化が見られる。例えば高感度撮影時のノイズは「Z50」より低減したという。最大感度はISO 51200、拡張時は最大ISO 204800相当を選択できる。
また、被写体検出やトラッキング性能の向上も特徴としている。AF-S、またはAF-Cへとカメラが自動でAFモードを切り替えるAF-Aでは、被写体判定の向上や動き検知の最適化により、小さく動作する被写体でも最適なモードに切り替わるとする。
さらに、DXフォーマット初のプリキャプチャーにも対応。レリーズの1秒前から事前記録を行う機能で、このときの連続撮影枚数は約30コマ/秒。ハイスピードフレームキャプチャー+(C30)を選択したときと同じ連写性能となる。
起動時間も「Z50」の約半分となる、約0.5秒へと短縮した。
EVFに採用するのは、0.39型約236万ドットのOLED。「Z6III」の4,000cd/㎡には及ばないものの、「Z50」の約2倍となる1,000cd/㎡の明るさを実現している。
ちなみに接眼部後方の突出が「Z50」より抑えられている。これはアイピースをボディ一体型としたことに起因しており、バックなどへの収納面で有利に働くとしている。アイピースが外れる、あるいはなくす心配もなくなるだろう。
背面モニターが「Z50」の上下チルト式からバリアングル式に変更されている。3.2型約104万ドットのスペックに変わりはない。
ピクチャーコントロール
7月発売の「Z6III」に続き、ピクチャーコントロール関連が充実している。クリエイターが作成したピクチャーコントールを「Nikon Imagin Cloud」経由で取り込めるほか、他のニコン機にない特徴として、ピクチャーコントール専用のボタンをボディに装備した。シャッターボタンの手前、ISOボタンとコマンドダイヤルの間という比較的良い位置に配置されている。ちなみにこのボタンへは、ピクチャーコントロール以外の機能も割り当てられる。さらに、ピクチャーコントロールの選択画面に、お気に入りが並べられるようになった。
「Z6III」から実装された、フレキシブルカラーピクチャーコントロールのカメラ導入にも対応。NX Studioで作成したオリジナルのピクチャーコントロールを、カメラ内にダウンロードして使用できる。通常のピクチャーコントロールよりも詳細な色設定が可能だ。
動画
最大で4K60pでの動画記録に対応。4K30pについては5.6K相当からのオーバーサンプリングとなる(4K60Pはクロップ)。N-Log収録も可能。
動画記録時の電子手ブレ補正も強化したという。
細かいところでは、「Z50」になかったRECランプが実装されている。また、Zシリーズ初の動画セルフタイマーも装備。2秒、または10秒から選択できる。
UVC/UACに対応したUSBストリーミング機能も内蔵。同社のソフト「Wecam Utility」を介すことなく、PCのWebカメラとして利用可能だ。
その他
外観上で目立つのは、「Z50」や「Z30」よりグリップが深くなったこと。ボディ上部のいわゆるペンタ部の意匠も変化しており、「Z50」にはなかった内蔵ストロボが収められている。
グリップ以外のボディの奥行きを極力なくしたようなデザインの「Z50」に比べると、「Z50II」は「Z6III」に近い少し筋肉質なフォルムになっている。それでいて幅×奥行き×高さは約5~10mmのサイズダウンに成功。さらにバッテリーおよびメモリーカード込みの質量も、210g軽くなっている。
なお、本機からヘッドフォン出力とリモートコード(ワイヤードリモコン)の端子が共用となった。リモコンには新製品の「MC-DC3」を使用する。
言語表示は日本語のみ。多言語表示への変更は有償で可能。