TikTok 禁止リスク下でも揺るがぬマーケターの投資
記事のポイント
TikTok規制のリスクにも関わらず、55%のブランドがTikTokでのプレゼンス拡大を推進中。
米国での使用時間が2019年から500%増加し、TikTokは美容ブランドに有望な市場と評価されている。
TikTokショップは美容EC市場で急成長中で、Make Up For Everなどが積極的に参入。
TikTok規制のリスクにも関わらず、55%のブランドがTikTokでのプレゼンス拡大を推進中。
米国での使用時間が2019年から500%増加し、TikTokは美容ブランドに有望な市場と評価されている。
TikTokショップは美容EC市場で急成長中で、Make Up For Everなどが積極的に参入。
今回のGlossy+リサーチ・ブリーフィングでは、米国ではTikTokが禁止される可能性があるにもかかわらず、マーケターが現在もTikTokに投資していることに着目した。
調査対象ブランドの55%がTikTokでの存在感の向上に専念している
TikTokを所有するバイトダンス(ByteDance)が同アプリを売却する期限となる来年1月19日が近づいているにもかかわらず、広告主は今もTikTokに固執している。4月24日、ジョー・バイデン大統領が署名した法案により、中国に拠点を置くバイトダンスは、この人気のソーシャルメディアプラットフォームを米国企業に売却する270日間の猶予を与えられた。
この動きは、市民が外国の言論を受け取る憲法修正第1条の権利を侵害するとして一部から批判されている。
TikTokには引き続き禁止令の脅威が迫っているが、広告主はこのアプリへの投資を減速させていない。マーケター66人を対象にしたGlossy+リサーチの夏のブランド調査では、回答者の55%がTikTokでのプレゼンス拡大にリソースを割いていると答えている。
回答者の3分の1以上(35%)が現在TikTokショップ(TikTok Shop)で商品を販売していると答え、ほぼ3分の1(32%)が今年TikTokへの広告費を増やしたと答えた。これに対し、禁止される可能性があるためTikTokのプレゼンスから手を引いたと答えたマーケターはわずか12%だった。
なかには、バイトダンスがアプリを売却する期限が迫るわずか3カ月前にTikTokショップでTikTokでのプレゼンスをさらに拡大しているブランドもある。9月、メイクアップフォーエバー(Make Up For Ever)はTikTokショップのストアフロントのローンチを発表した。
同ブランドは今年初めにトップセラーのアイテムに言及したユーザー生成動画のおかげでバイラルになり、TikTokではすでに話題になっていた。
TikTokに費やす時間は2019年から500%増加
たとえばオリンピック金メダリストのスニ・リー氏によるこのTikTokは、1540万ビューと130万いいねを獲得している。
メイクアップフォーエバーの北米ゼベラルマネージャーであるソニカ・マルホトラ氏は次のように述べている。
「我々は、コミュニケーション、流通、イノベーション、コンテンツを通じて、メイクアップの初心者や専門家ではないかもしれない一般消費者のために障壁を取り除き、より手に取ってもらいやすい方法を見つけようとしていた。TikTokショップは理にかなっていた」。
「今年はTikTokにブランドの大きなファンコミュニティがあることを見てきたが、ブランドを愛し、それについて語るコミュニティがあり、その人たちが製品にアクセスできる場所に(投資する)以上にいいことはない」。
ニールセンIQ(NielsenIQ)とダッシュハドソン(Dash Hudson)の調査によると、TikTokは美容ブランドにとって有望なチャンスである。米国の成人は、2023年にTikTokで1日あたり時間にして合計44億分を費やすと報告しており、これは2019年から500%増加している。
さらにTikTokショップ市場は急成長を続けている。「TikTokショップは、2023年11月までに米国の美容およびパーソナルケアeコマース小売業で第12位となっており、その地位を確立している」と、ニールセンIQのビューティ・ソート・リーダーシップ担当副社長のアナ・メイヨ氏は述べている。
[原文:Research Briefing: Brands continue to invest in TikTok despite potential U.S. ban]
DANIA GUTIERREZ(翻訳:Maya Kishida、編集:坂本凪沙)