【高校サッカー】石川・金沢学院大附が初の全国選手権へ…元J2群馬の北一真監督が指揮
◆第103回全国高校サッカー選手権・石川県大会決勝▽金沢学院大附1−0遊学館(2日、金沢ゴーゴーカレースタジアム)
石川県大会の決勝が行われ、金沢学院大附が1−0で遊学館を下し、初の全国高校選手権(12月28日開幕、国立競技場ほか)出場を決めた。強い雨が降り続く中、終了のホイッスルが鳴り響くと、選手たちは抱き合って大喜び。表彰式が終わると、選手たちはスタンドに駆け寄り、仲間と共に喜びを分かち合った。3度の胴上げで、逆さまになりかけた北一真監督(42)は「気持ちよかったです。(6分の)ロスタイムは待っているのが長かった。高校生にとって、全国選手権に出場することで人生が変わるし、その舞台を経験させてあげたかった。よく扉をこじ開けてくれました」と選手たちの奮闘を称えた。
大雨でコンディションの悪い中、持ち味のポゼッションサッカーを貫いた。ピッチには何か所も水たまりができ、ボールが水しぶきを上げて止まることもしばしば。「ベンチ前のサイド以外はボールを動かせるかなと思った。勇気を持ってプレーしてくれました」と指揮官。前半はパスがつながらず、両チーム共に攻めあぐねたが、後半4分には右サイドハーフの山崎獅音(しおん、3年)が鮮やかに決勝ゴール。ゴール前に駆け上がっていた山崎は「FW家辺をフォローしていたら、こぼれ球がきた。ゴールに流し込むだけでした」と笑顔を見せた。
北監督は星稜高出身で、3年冬の全国選手権に出場。国士舘大を卒業後、JFL草津に加入し、昇格したJ2群馬では148試合に出場。現役引退後の2016年に金沢学院大附高の監督に就任した。当初は苦労も多かったと言うが、4年前には人工芝ピッチ2面も完成。昨夏は初のインターハイ出場を果たすなど、着実に力を付けてきた。今春には1年生43人が入部し、部員は98人に急増。MF山崎は「1、2年生にも上手い選手がいて、みんながスタメンになりたい気持ちで取り組んでいる。紅白戦も激しいです」と切磋琢磨しながら、レベルアップしてきた。
夏休みには2部練習を行い、午前中は5キロ走や1キロ走8本、ゴールラインからハーフラインまでのダッシュなど、猛暑の中で地獄の走り込みを実施。今大会の準決勝では、4連覇中だった星稜もPK戦の末に撃破した。指揮官は「1年生の時からポゼッションサッカーを積み上げ、フィジカルの強さも加わったし、精神的にもたくましくなった。チーム目標は全国1勝ですが、行けるところまで行きたい」と決意。心技体で一回り成長したイレブンが、初の大舞台で快進撃を狙う。(中田 康博)