鹿島、前半だけで衝撃の3発! “鬼門”の等々力で9年ぶりに川崎F撃破、新体制初勝利

写真拡大

 2024明治安田J1リーグ第35節が11月1日に行われ、川崎フロンターレと鹿島アントラーズが対戦した。

 今季の川崎Fは不完全燃焼と言えるシーズンを過ごし、現時点での成績は11勝11分11敗。消化試合数が1つ少ないなか、勝ち点「44」を積み上げている。直近3試合は2勝1分と無敗をキープ。鬼木達監督の“ラストシーズン”を可能な限り上の順位で終えるべく、そしてクラブのプライドに懸けて、残り5試合を戦い抜く。

 対する鹿島は今季前半戦こそ優勝争いに名を連ねていたものの、徐々に失速し、10月6日にはランコ・ポポヴィッチ監督の解任を発表。現在は中後雅喜コーチが指揮を執っている。前節終了時点では15勝9分9敗の勝ち点「54」を獲得しており、消化試合数は1つ少ないものの、5位につける。今節は中後体制の初勝利を狙う。

 試合の均衡は立ち上がりの10分に破れる。鹿島は敵陣右サイドで得たスローインから、柴崎岳が前を向いてアーリークロスを送ると、ボックス内へ飛び込んだ知念慶が頭で合わせる。強烈なヘディングシュートでゴールネットを揺らし、鹿島が先手を取った。

 早い時間帯の先制点で勢いに乗った鹿島は続く18分、敵陣左サイドで川崎Fのパス交換を狙っていた安西幸輝が、河原創からのパスをインターセプトして一気に加速。深い位置まで持ち込んでマイナスへ折り返すと、ディフレクションしたボールに合わせたのは樋口雄太。右足でシュートを叩き込み、鹿島がリードを広げた。

 ホームで早くも2点ビハインドとなった川崎Fは24分、敵陣左サイドで山本悠樹からのパスを受けた三浦颯太が迷いなく左足を振り抜くも、強烈なミドルシュートは右ポストに嫌われる。

 川崎Fが仕留め損なった直後、鹿島が大きな3点目をゲット。敵陣左サイドで前を向いた師岡柊生がボックス内へパスを送ると、樋口からの落としはやや短くなったものの、ルーズボールに三竿健斗が反応。ダイレクトで左足を振り抜くと、狙い澄ましたシュートがゴールに吸い込まれた。

 失点直後の29分には、3点ビハインドとなった川崎Fをさらなるアクシデントが襲う。失点前のプレーで負傷した脇坂泰斗がプレー続行不可能となり、小林悠を投入。早くも交代カードを切ることとなり、脇坂はキャプテンマークを小林に託した。

 後半へ折り返すと立ち上がりの53分、川崎Fがビッグチャンスを構築。敵陣で橘田健人、山本、三浦と繋いで、ボックス左のスペースへマルシーニョが侵入し、ダイレクトで中央へ折り返す。待っていた山田新はフリーで左足を振ったが、シュートは無常にもクロスバーに直撃した。

 その後は川崎Fが敵陣でプレーする時間を増やしながら、反撃の狼煙を上げる1点は生まれない。対する鹿島は61分、師岡にチャンスが到来したが、ここはGKチョン・ソンリョンに阻まれ、4点目とはならなかった。

 鹿島の3点リードのまま時計の針は進み、後半アディショナルタイムに突入。川崎Fは山本悠樹が直接フリーキックで加入後初ゴールを記録し、1点を返したものの、時すでに遅し。試合はこのままタイムアップを迎え、3−1で鹿島が勝利した。

 この結果、鹿島が新体制となってからの初勝利を飾った。鹿島は2015年8月以来となる『Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu』(『等々力陸上競技場』)での白星で、シーズンダブルを達成。一方の川崎Fは、4試合ぶりの黒星を喫している。

 次節は10日に行われ、川崎Fは敵地で京都サンガF.C.と、鹿島はホームで名古屋グランパスと、それぞれ対戦する。

【スコア】
川崎フロンターレ 1−3 鹿島アントラーズ

【得点者】
0−1 10分 知念慶(鹿島アントラーズ)
0−2 18分 樋口雄太(鹿島アントラーズ)