巨人の「ジュウザ」は型にとらわれない ドラ4が「憧れの存在」大谷翔平ばり二刀流へ「挑戦できるのであれば挑戦したい」
巨人にドラフト4位で指名された北星学園大付・石田充冴(じゅうざ)投手(18)が31日、スカウトも太鼓判を押すポテンシャルの高さでドジャース・大谷翔平級の二刀流への夢を膨らませた。札幌市の同校で水野雄仁スカウト部長(59)、担当の青木高広スカウト(42)から指名あいさつを受けた右腕は、投球だけでなく打力など持ち前の身体能力の高さで、漫画「北斗の拳」に登場する「雲のジュウザ」のように型にとらわれない力を見せつける。
北の大地で育った無限大の可能性をプロの舞台で解き放つ。指名あいさつを受け、石田は「二刀流は大変だと思うんですけど、挑戦できるのであれば挑戦したいですね」と夢を広げた。高校時代の大谷の身長193センチ、86キロとほぼ同じ、192センチ、87キロの恵まれた体格から最速149キロの直球を投じる右腕。まずは投手に専念するが、担当の青木スカウトは「バッティングもすごい。この体格でここまで体を動かせる選手はいない」と、打力も評価する。
ワールドシリーズを制した大谷級の選手へ、夢が広がる。小学1年時に旭川スタルヒン球場で当時日本ハムの大谷を生で目にした。「すごいな〜って見ていました。憧れの存在ですし、大谷さんみたいにいろんな人から愛される選手になりたい」と思い描く。高校通算は5本塁打だが、うち2本は青木スカウトが視察に訪れた試合。印象は鮮烈だった。
現役時代、投手ながら打力にも定評のあった水野スカウト部長も、身体能力の高さに舌を巻く。「高卒の投手で一番の評価をした。まだまだ伸びしろはある。基本は投手でトレーニングを重ねていけば、プロの体になるので(二刀流も)4、5年後にもしかしたらっていうのはありますけど、とりあえず投手で鍛えていくということ」と将来に含みを持たせた。
両親が大好きだった人気漫画「北斗の拳」に登場する「雲のジュウザ」から名付けられた「充冴」の名。巨人ファンへ「ジュウザと呼んでほしいです」と呼び掛けた。父・威仁(たけひと)さんは型破りなキャラクターのように「周りや世間に縛られずに雲のように自由に生きてほしい」という思いも込めた。「夢がかなってうれしい。ここからやってやろう、という気持ちです」。夢がいっぱい詰まった北のジュウザが、プロの舞台で暴れまくる。(水上 智恵)
◆石田に聞く
―どんな選手になりたい。
「自分でも即戦力とは考えていないので、一から体と心を鍛え直して、戦えるようになってから出てこられるようにしたい。まずは1軍の試合に出て、最終的には日本を代表する投手になりたいです。指名されてから何度も東京Dで投げている姿を頭の中で想像しています」
―巨人のイメージ。
「王さんや長嶋さんがいらっしゃって球界を代表する選手がたくさんいる歴史がある。誰もが入りたいと思う球団だと思うので、そこに入れたのはすごいうれしいことですし、球界を代表するその中に自分も入っていけるようにしたいです」
―地元への思い。
「道産子っていうブランドがついているのでたくさん北海道の方も期待してくださると思うので、『あいつ頑張ってるな』って北海道の方からも愛されるような選手になりたいです」
◆石田 充冴(いしだ・じゅうざ)
▽生まれとサイズ 2006年7月21日、北海道・旭川生まれ。18歳。192センチ、87キロ。右投右打。
▽球歴 小学1年から啓明ライオンズで野球を始める。中学時代は巨人育成の千葉と同じ旭川北陵シニアでプレー。北星学園大付では1年秋からベンチ入り。2年時に全道大会に出場。甲子園出場経験はなし。
▽憧れの選手 ロッテ・佐々木朗希。「いつでも三振が取れるところとストレート、フォークを武器にしていて自分もそんな選手になりたいです」
▽趣味 ランニングと音楽を聴くこと。「aiko」が好き
▽変化球 スライダー、カーブ、フォーク、チェンジアップ