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 ◇ワールドシリーズ第4戦 ドジャース4ー11ヤンキース(2024年10月29日 ニューヨーク)

 反省の色はなさそうだ。ヤンキースタジアムで29日(日本時間30日)に行われた第4戦で、フェンス際のフライを捕球したドジャースのムーキー・ベッツ内野手(32)からボールを“強奪”した男性ファンに第5戦の「出禁」が通達されていないと米スポーツ専門局「ESPN」が報じた。

 “強奪事件”は試合開始早々に発生。初回裏、ヤンキース・トーレスの右翼フェンス際へのフライをベッツがグラブを伸ばしてキャッチ。ところが、フェンス最前列で観戦していた男性ファン2人が暴挙に出た。

 1人がベッツのグラブをこじ開け、ボールをむしり取ろうと画策し、隣にいたもう1人の男性ファンもベッツの右手をつかんだ。一歩間違えれば負傷にもつながる蛮行に、ベッツは怒りの表情。このファン2人はもちろん、退場させられた。

 ESPNによると、最初にむしり取ろうと画策した男性ファンはシーズンチケット保有者で「ボールが自分たちのエリアに飛んできたらいつも冗談を言うんだ」とこういった出来事が起きた際、どうするかを話し合っているという。

 そして、今回の“強奪事件”についても「わざわざ攻撃しようとはしない。ボールが自分たちのエリアにあるなら、ディフェンスするよ」「私はあの壁をパトロールしているし、彼らもそれを知っている」などとチームのためなら何でもするという姿勢で反省の色はなく、同じような状況が再度、起きたら“強奪”を繰り返す可能性も示唆した。

 この2人は退場させられたものの第5戦について戻って来て観戦可能と言われたとして、ESPNは“出禁”になっていないと報道。ヤンキース側は事実かどうか、ESPNの取材に対し、コメントを避けたという。

 第5戦でも暴挙が繰り返されるとしたら、最高峰の舞台で見たくない光景だ。

 一方、試合後、ベッツは「彼(ファン)が僕のグラブをつかんだ。僕は大丈夫だ。始まって最初のプレーだった。どうってことない。負けはしたが、僕は大丈夫、彼も大丈夫。明日に向けて切り替えて臨むだけだ」と大人の対応を見せた。