日本選手権での優勝を誓った三菱重工Westの北條

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 第49回社会人野球日本選手権大会が29日から11月9日までの12日間、京セラドーム大阪で開催される。元阪神で三菱重工Westの北條史也内野手(30)が、自身初となる同大会での優勝を誓った。

 「負けたら今年は終わりなんで。このチームで優勝したい。どこのチームにもチャンスはあると思うので。そこに向けての準備をしっかりやっていきたい」

 社会人野球1年目の今年は、7月に初の全国舞台となる都市対抗野球に出場。前回王者・トヨタ自動車との2回戦で本塁打を記録するなど、6年ぶりの8強入りに貢献した。再び迎える全国大会で、さらなる高みを目指す。

 光星学院(現・八戸学院光星)から阪神に入団。昨季限りで戦力外となり、今年から自身初となる社会人野球・三菱重工Westで再出発した。「野球辞めなくてよかったなと思いました。(阪神の)みんなもよく連絡をくれたり。いい経験ができていますし、楽しいですよ」と笑顔で振り返る。

 社会人野球は20代前半の選手が多く、30歳の北條はチームで2番目となる年長者だ。「若い選手が多いので。そういう部分でも雰囲気よくできていると思う。練習や試合などで気づいたことがあったら伝えることもあります」と、これまでプロで培った経験をチームメートに惜しみなく伝えている。

 社会人野球での生活は、自身に合っているという。阪神在籍時の18年に左肩を脱臼。21年には左肩を手術した。連日試合が行われるプロ野球。「脱臼してからはしんどかった」と、コンディションを整えることにいっぱいで、なかなか鍛えることができなかった。一方で、試合間隔が空いている社会人野球。「ウエートなどで鍛える時間もありますし、プロの時よりも体も大きくなっている。コンディションもいい」と充実感を漂わせた。

 日本選手権の初戦は11月3日・日本製鉄鹿島と戦う。負ければ終わりのトーナメント。「一発勝負になったらどこが勝つか分からない。調子とか考えている暇はないですし、その時に勝つことだけを考えてやっています。一番大事なのは、チームの雰囲気だと思いますし、チーム力で勝ちたい」と北條。日本一へ、チーム一丸となり、一戦必勝で戦い抜く。(デイリースポーツ・井上慎也)