中国インバウンド観光、各地で急速に回復 ビザ免除追い風に

9月末、平遥古城国際写真展を見学する外国人観光客。(資料写真、太原=新華社配信)

 【新華社太原10月26日】ビザ免除国の拡大など一連の入国利便化政策を実施した中国では今年、インバウンド観光が各地で順調に回復している。

 山西省にある世界文化遺産の平遥古城では、オランダから来たミロウさんとイエロエンさんが美食や展示、パフォーマンスを楽しんでいた。旅行会社が切符やホテルをすべて手配してくれ、とても便利に旅していると語り、モバイル決済にも「完璧」と称賛を惜しまなかった。

中国インバウンド観光、各地で急速に回復 ビザ免除追い風に

空から見た平遥古城。(資料写真、太原=新華社配信)

 トランジットビザ免除の拡大を受け、トランジット客に特化した誘致の取り組みも広がっている。上海市の浦東国際空港では、オンライン旅行大手の携程集団(トリップドットコム)が無料の半日ツアーを打ち出し、トランジットの外国人客が上海の美しい風景を一目見ることのできるサービスを提供している。

 中国南西部の重慶・成都地区では、重慶から入国し、話題の商業施設「洪崖洞」や仏教石窟の大足石刻を見学した後、車で成都に移動し、パンダを見学し火鍋(中国風寄せ鍋)に舌鼓を打ち、成都から出国するといったツアーが、限られた時間で中国を満喫したい外国人にとって魅力的な選択肢になっている。

中国インバウンド観光、各地で急速に回復 ビザ免除追い風に

夏休みシーズン中、上海博物館東館を見学する外国人ツアーグループ。(資料写真、上海=新華社配信)

 中国国家移民管理局のデータによると、7〜9月に全国の各通関地から入国した外国人旅行者は前年同期比48.8%増の818万6千人で、うちビザ免除入国者は78.6%増の488万5千人を数えた。 

 旅行会社大手、上海春秋国際旅行社の周衛紅(しゅう・えいこう)副総経理は、各種のビザ免除政策の実施後、海外の旅行会社が中国観光商品の開発にこぞって着手しているとし、来年は観光商品の供給が急増し、中国インバウンド市場は新たなピークを迎えるとの見通しを示した。(記者/解園、姜芾然)

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夏休みシーズン中、上海博物館東館前で集合写真を撮る外国人ツアーグループ。(資料写真、上海=新華社配信)