[10.26 国際親善試合 日本女子 4-0 韓国女子]

 内田篤人コーチとのディスカッションで再確認した自身の武器を存分に発揮した。「あれは自分の得意な形」。日本女子代表DF守屋都弥(INAC神戸レオネッサ)が、新生なでしこジャパンの船出を飾るアシストを記録した。

 韓国女子代表戦に先発出場した守屋は最終ライン4枚の右サイドでプレー。守備時には逆サイドとのバランスを意識し、絞ることが多かったというが、攻撃時には高い位置を取り、積極的に加勢した。そうした姿勢がチームに4点目を生み出した。

 日本は3点リードで迎えた後半11分、右サイドで攻撃を組み立てると、守屋がMF長谷川唯(マンチェスター・C)のパスをスペースで受けて縦に持ち出す。流したボールを折り返すように鋭いパス。相手と相手の間に走り込んだMF谷川萌々子(ローゼンゴード)がゴールに決めて点差を広げた。

 守屋はアシストとなったクロスについて、内田コーチからの助言があったかという質問に「内田さんとはクロスの上げ方が違う」と説明。そのうえで、内田コーチとのサイドバック談議が自信に繋がっていることを明かした。

「自分は結構流しながら上げるタイプで、内田さんはオープンに止めて上げるタイプというのを話した。内田さんには『止めた方が上げやすくない?』と言ってもらったが、自分はどちらかというと流した方が力を加えられるので好きだと。そういうディスカッションができている」

 今回、臨時でなでしこジャパンのスタッフを務める内田コーチの存在は大きく、特に同じサイドバックでプレーする選手たちにとっては、言葉の一つ一つが金言だ。「どちらかというと今回は守備の面を多く教わっているが、攻撃も高い位置を取るように指摘してもらった」。内田のアドバイスと自分を貫いて生まれたアシストだった。

(取材・文 成田敏彬)