藤井聡太竜王が2勝目 挑戦者・佐々木勇気八段に勝利し防衛4連覇に前進 シリーズ成績は2勝1敗に/将棋・竜王戦第3局
将棋の第37期竜王戦七番勝負第3局が10月25・26の両日、京都市「総本山仁和寺」で行われ、藤井聡太竜王(名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖、22)が挑戦者の佐々木勇気八段(30)に99手で勝利した。この結果、藤井竜王はシリーズ成績を2勝1敗とし、防衛4連覇に向けてさらに前進を遂げた。注目の第4局は11月15・16日、大阪府茨木市の「おにクル」で予定されている。
竜王4連覇を目指す藤井竜王が、防衛に向けてさらに前進を遂げた。ともに1勝1敗で迎えた第3局“京都対局”。世界遺産・仁和寺を舞台に争われた一局は、後手の佐々木八段が驚きの「ダイレクト向かい飛車」を志向した。
挑戦者渾身の作戦に、絶対王者・藤井竜王は持ち時間をしっかりと投入して佐々木八段の狙いを熟考。佐々木八段が封じた56手目の開封から再開された対局2日目は、早々に激戦へと展開した。引きつけて自陣をしっかり引き締めて対応。佐々木八段がペースを握るかと見られたが、藤井竜王は金に角をぶつける強手で挑戦者へ迫った。
互角のままもつれ込んだ終盤戦では、攻め合いの激戦へ。技を駆使して後手の堅陣に攻撃を仕掛けていった藤井竜王は、力のこもった強い手を重ねてじりじりとリードを拡大。佐々木八段が果敢に繰り出す勝負手にも冷静な対応を見せた。最後は佐々木八段の攻防いずれをも封じるように、2枚の角で後手を包囲。圧巻の終盤力を発揮した藤井竜王が、絶対王者としての貫禄を示し華麗に勝利を手にした。
この結果、藤井竜王のシリーズ成績は2勝1敗に。先手番で大きな1勝を飾り、白星を先行させた。
終局後、藤井竜王は「あまり予想していなかった戦型。こちらがどういう風に攻めの形を作っていくのかがわからず、本譜はつんのめったような攻め方になり、1日目の時点で失敗してしまったかなと思っていた。(終盤の)攻め合いの形になって楽しみが出てきた」と総括。次戦へ向けて「第2、3局は内容がかなり押されてしまっている。第4局は少し間が空くので、しっかり準備して良い状態で迎えられるようにしたい」と語った。
一方、敗れた佐々木八段は「一手一手難しい将棋かなと思っていたが、途中から距離感がわからなくなってしまった。終盤は私の力では及ばなかった」とコメント。「終盤はこちらが気が付いたら負けということが多いので、その辺りを何とかしたい」と次局への課題を口にしていた。
次戦、11月15・16日に、大阪府茨木市の文化・子育て複合施設「おにクル」で予定されている第4局で藤井竜王が防衛に王手をかけるのか。先手番となる挑戦者・佐々木八段が再び追いつくのか。シリーズ中盤戦の星のゆくえから目が離せない。
(ABEMA/将棋チャンネルより)