球団職員に拍手で迎えられる三浦監督(中央)(カメラ・中島 傑)

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◆SMBC日本シリーズ2024第1戦 DeNA―ソフトバンク(26日・横浜)

「SMBC日本シリーズ2024」が26日、横浜スタジアムで開幕する。4年ぶりにパ・リーグを制したソフトバンクとセ・リーグ3位からクライマックスシリーズ(CS)を勝ち上がったDeNAが激突する。両軍は25日に横浜で最終調整。1998年以来の日本一を目指すDeNAは、3位から日本Sを制覇すれば、セ球団初の快挙。DeNA・三浦大輔監督(50)が下克上の心意気を示せば、ソフトバンク・小久保裕紀監督(53)は同日に開幕するワールドシリーズ(WS)に負けない激闘を誓った。

 CSを勝ち抜き、ハマスタに凱旋した三浦監督には闘志がみなぎっていた。ソフトバンクとは、17年に3位からたどり着いた日本Sで対戦し、2勝4敗で退けられた。チームとして、それ以来の大舞台。番長は不敵な笑みを浮かべた。「どうやって勝とうかな、楽しみです。全員が力を合わせて、束になってかからないと勝てない相手」。公式戦を貯金42という圧倒的強さで制した王者に、貯金2のDeNAが立ち向かう。

 3位から日本一になったのは、2010年のロッテだけで、セ球団が達成すれば初の快挙だ。CS第1Sで左太もも裏の肉離れを負った東や9月に右尺骨を折った山本も、40人枠に入れた。指揮官は東について「戻ってこられるように準備している」と話した。エースは脚の負担を考え、DH制が採用される福岡での第3戦目以降での登板が濃厚。総力戦で勝ち切る覚悟だ。

 番長自身もチームのために激務をこなした。前日のドラフト会議後に新幹線で関西に移動。この日午前8時30分過ぎには兵庫・明石市内に現れ、1位指名した竹田祐投手(三菱重工West)にサプライズで指名あいさつを行った。約30分の滞在で横浜にとんぼ返り。片道約540キロの弾丸ツアーにも「疲れたなんて言ってられない」と、午後1時からの全体練習を指揮し、監督会議にも臨んだ。

 練習前には、ベンチ前に並んだ球団の事務方らスタッフの激励を受け、グラウンドに送り出された。チームは7年前とはひと味違う。当時全6試合で4番を務めた筒香は「勝ちたいと思っている選手が本当に増えている。だんだん一つになる感じが出てきている」と士気の高さを誇った。横浜時代の98年に現役として日本一を経験した番長は「勝ってファンの皆様と一緒に喜びたい」と26年ぶりの頂点を見据えた。大観衆の声援を背に受け、こん身のタクトを振る。(内藤 菜月)