この記事をまとめると

■1台のクルマと向き合い続けるオーナーはかなり少ない

■愛車に長く乗り続けるためのポイントを7つ紹介

■完璧を求めず余裕をもつことがポイントだ

同じクルマに乗り続けるのは意外とむずかしい

「このクルマは一生モノ」、「アガリの1台」、「最低でも10年は乗る!」。

 人それぞれ、長く乗ると固く決意したものの、ちょっとした心境の変化、あるいはクルマの故障などで前言撤回(?)する人がいます。その反面、オーナーである本人も自然体で淡々と、10年、20年、さらにはそれ以上の期間、1台のクルマと向き合う人も存在します。

「本当は1台のクルマと長く付き合いたい。でも……」という人に向けて、「無理をせず、1台のクルマと長く付き合う方法」をまとめてみました。ただし、もともと浮気性の人は「性分」だと思い、本能のおもむくままにクルマ選びをしたほうがいいかもしれません。

●予防整備に徹する

「壊れたら直す」のサイクルに入ってしまうと、不思議なものでまた別の箇所が壊れていきます。そこからしばらくは大なり小なりこの繰り返しです。しかし「壊れる前に直す=予防整備に徹する」ことで、愛車のコンディションを一定のラインで保つことができます。それには主治医との密な連携が必須です。

●自分でできることは自分で作業する

 なんでもかんでもディーラーや街の整備工場に任せきりだと、どうしても出費もかさみ、時間もかかります。なので、自分のクルマなのに現在のコンディションが把握できていないというジレンマに陥ってしまいます。たとえば、夏タイヤ〜冬用タイヤの交換や、バッテリー交換など、特殊な工具がなくてもできる作業は自分で行うようにしましょう。

●過度に綺麗にしすぎない

「エンジンルームやホイールハウスなど、手の届くところは可能な限り洗車する」、「週1回の洗車は欠かさない!」などなど。洗車自体が好きであればいいのですが、自らにノルマを課してしまうと「あぁ、面倒だけど洗車しなきゃ……」の心境に陥ってしまい、思わぬストレスを抱え込むことになりかねません。あえて完璧、そして100%を目指さず、80点主義(場合によっては60点主義)くらいの妥協点を見出してもいいかもしれません。

ある程度の許容や人付き合いも大切

●生活傷も気にしない

 屋外でクルマを走らせれば汚れもするし傷もつきます。置いておくだけでも、埃や花粉、下手をすると雹害も。こればかりはどれほど気をつけていても回避できるものでもありません。雹害はさすがに板金塗装せざるを得ないとして、少しくらいの傷であれば「まぁいいか」くらいの寛容さが必要かもしれません。

●できるだけノーマルか、それに近い状態を維持する

 ノーマルの状態が飽きてくるとちょっと手を加えたくなる人がいます。このときに注意しておきたいのが「できるだけノーマルか、それに近い状態を維持する」こと。いつでもノーマル戻しができるようにしておきたいものです。数多くのオーナーさんを取材していてわかったことが、「いろいろ手を加えても結局ノーマルがイチバン」という結論にいたる人が多いという声です。個人的にもここが大事なポイントのように感じています。

●整備の明細をファイリングして保管する

 愛車の整備記録はメンテナンスノートに記載されます。それ以外に、整備工場などから修理箇所を記した明細が渡されます。これらの書類をきちんとファイリングして保管すると、愛車のコンディションを把握できるようになります。ファイルは市販のクリアファイルなど、なんでもいいのです。そのクルマの歴史そのもの。まさに「サービスヒストリー」です。

●同じクルマを所有する友人や知人との付き合いを大切にする

 クルマとしてはそろそろ別のモデルに買い替えたいけれど、いま付き合いのある友人や知人と疎遠になってしまうのは寂しい。それならば、現在所有しているクルマを維持しようという考え方もありです。いくつになっても「類トモ」の存在って大事です。もう手放そうか迷っているとき、仲間に相談してみてください。おそらく全力で止めてくれますから(笑)。

●まとめ:完璧を求めない

 完璧な人がいないように、完璧なクルマも存在しません。あえて「余白」があるからこそ、思わぬアイディアがわいてくることもあります。気もち的にも金銭的にも余裕があると自然とゆるさも生まれます。この「余裕」こそ、大事にしたいものです。それこそが「無理をせず、1台のクルマと長く付き合う方法であり、極意」といえそうです。