オリビア・ハッセー

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 米ロサンゼルス郡上級裁判所は21日、1968年の名作「ロミオとジュリエット」のベッドシーンを巡り、当時未成年だった主演の2人が映画会社を訴えた訴訟を再び棄却した。

 ジュリエット役のオリビア・ハッセー(73)とロミオ役のレナード・ホワイティング(74)は、問題のベッドシーンの撮影中、全裸で演技をさせられ、事前の約束に反し、公開された作品にはホワイティングの裸の臀部や、ハッセーの胸がちらりと露出するシーンが含まれていたとして、2022年12月に米映画会社パラマウントを訴えた。

 裁判所は2023年5月に時効を理由に訴えを棄却した。ところが原告側は今年2月、23年に米映像ソフトメーカー、クライテリオン・コレクション社が同作品をデジタル処理し、高画質化したDVDとブルーレイ版を発売したことを受け、再びパラマウントを相手取り提訴した。

 当時ハッシーは16歳で、ホワイティングは17歳。同作品でメガホンをとったフランコ・ゼフィレッリ監督にだまされ、ヌードで演技をされられたとして、問題のシーンが児童ポルノに相当すると主張。だが、最初の裁判では、同シーンは「児童ポルノに相当するほど性的な描写ではない」と判断していた。

 21日の判決でホリー・J・フジエ裁判長は、23年に再販された高画質版と、当時劇場公開されたものを比較しても、ヌードシーンの鮮明度はそれほど変わらないとし、前回の判決を再検証する必要はないとした。

 2度目の裁判は原告側が、親密な画像や動画の同意のない配布を禁じる「リベンジポルノ防止法」に基づいて提訴した。だが、同裁判長は原告2人が製作側と契約を結んでおり、双方の合意があったとして訴えを退けた。