「真面目だと思う」父親が語った宝田真月容疑者の“素顔” 被害者母親が明かした市川“緊縛強盗”一部始終【首都圏連続強盗】

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首都圏で相次ぐ強盗のうち、神奈川・横浜市の住宅で男性が殺害された事件の実行役・宝田真月容疑者が、「指示役から場所は指示された」「自分以外に実行役が2人いる」などと供述していることが分かった。

一方、監禁の被害があった市川市の事件では、なぜ女性を連れ去り監禁する必要があったのか。Mr.サンデーは、事件直後の惨状を捉えた写真や監禁された女性の親族らの証言から不可解な事件の全容に迫った。

宝田容疑者の父親「頭の中が整理つかない…どうやって罪を償うのか」

宝田容疑者の祖母:
(孫は)おとなしいようなタイプ。暴れるとかそういうような性格じゃない。全然わからない、もう信じられない、いまだに。

現在22歳の宝田容疑者。20日の送検時、警察官に促された時も小さく会釈を見せていた。そんな若者が、なぜこのような事件を起こしたのか。

宝田容疑者は、横浜市青葉区で、後藤寛治さん(75)の手や足を縛った上、暴行を加えて殺害し、現金20万円などを奪った疑いが持たれている。後藤さんの死因は全身打撲による出血死で、鈍器のようなもので殴られた可能性があるという。

同居する宝田容疑者の父親は…。

宝田容疑者の父親:
(宝田容疑者の)働き始めは高校中退(の後)ですね。最初はとび関係。そこから塗装関係に。(容疑者は)真面目だと思うんですけどね。ちょっともう頭の中が整理つかなくて。どうやって、これから罪を償うのか。

個人事業主として塗装関係の仕事をしていたという宝田容疑者は、お金に困った様子もなかったというが、容疑を認めこう供述している。

「SNSのバイトに応募した」
「指示役との連絡用に秘匿性の高い通信アプリを使用した」
「指示役から場所は指示された」
「自分以外に実行役が2人いる」

横浜市の現場からは、もう一人実行役の指紋が見つかっている。それは、千葉・市川市で起きた強盗事件で逮捕されていた藤井柊容疑者(26)のものだ。

市川市の事件では、10月17日早朝、母親(72)が夜勤を終え、帰宅すると現金や車が盗まれていて、同居する娘(50代)が行方不明になっていた。この夜、埼玉・川越市の宿泊施設で娘(50代)は警察に保護されたが、一緒にいたのが藤井柊容疑者(26)だった。藤井容疑者は「報酬10万円で監禁の見張り役をやっただけ」と供述している。

「縛り付けてぶん殴って『金出せ』って…」

しかし、首都圏で相次ぐ強盗事件のうち、監禁の被害があったのは市川市のみ。なぜ、女性を連れ去り、監禁する必要があったのか。

監禁された女性の母親:
朝6時、夜勤のパートから帰ったでしょ。鍵かかってなくて、そこで、おかしいと思ったのね。ごっつい中めちゃめちゃだから。強盗が来て荒らしていた。こんちきしょうと思って。

監禁された女性の母親(72)は、娘にLINEでメッセージを送ったというが…。

監禁された女性の母親:
返事がないから、おかしいねと思って。「事件なのかな」と思ったときに怖くなっちゃって。

恐怖に襲われながらも、母親は帰宅直後の様子を写真に記録していた。

監禁された女性の母親:
帰って来て警察に電話した後、引き出し全部を開けられて…。

住人が撮影した写真を見ると、強盗犯が侵入したとみられる1階の出窓は、鍵周りだけでなく全体が割られているのがわかる。部屋の中にはガラスが散乱。引き出しが開けられ、荒らされた部屋には猫の姿もあった。

事件当時、娘は1階にはおらず、2階で寝ていたという。2階の寝室の写真を見ると、女性の服や化粧品などがある一角は荒らされたようには見えないが、ベッドの下の引き出しは全て開けられ物色されていた。床の上にあったハンマーは護身用に備えていたものだというが、事件後、女性と話した親族の男性はこう聞いたという。

監禁された女性の親族:
(監禁されていた女性が)寝ているときに目隠しされて、テープかなんかで目を押さえつけられて。

就寝中に突然、粘着テープで目を覆われ、全身を縛り付けられたという。部屋をよく見ると、粘着テープがあり、その内側には血のような跡も確認できる。

監禁された女性の親族:
縛り付けて、ぶん殴って「金出せ」って言われたらしい。(監禁された女性が)「ない」って言って、金庫を発見したかなんかで。

金庫の近くには“2本のハンマー”

金庫は1階にあった。娘が「お金は入っていない」と言っても、強盗犯は金庫を破壊しこじ開けた。周辺には、金庫の内側に使われるコンクリートが無残に散らばっていた。

その近くにはハンマーが2本。持ち手がオレンジ色の方は、ぐにゃりと折れ曲がっていた。この現場を見た母親によれば、黒いハンマーに見覚えはないが、オレンジ色の1本は自宅にあったものだという。

改めて1階の様子を見ると、激しく荒らされた中に、工具箱のようなものがあった。金庫を開けるのに手こずり、家の工具も手当たり次第使ったのだろうか。

金庫に入っていたのは年金手帳などで、金目のものはなく、結果、強盗犯が奪ったのが娘のキャッシュカードだった。

監禁された女性の母親:
お金ね、ないからね。本人連れてってキャッシュカードで暗証番号聞き出すために連れて。ガンガンしたんじゃないか。2人がかりで足と頭、上半身持たれて連れていかれたらしいね。ドスンやないけど、ああっていう感じで2回くらい落とされた。

――そんなことまであったんですか?
監禁された女性の母親:
しっかり持てよって感じ。

――それで肋骨を?
監禁された女性の母親:
多分、たたかれたり、蹴っ飛ばされたり、暴行だと思います。

家で女性から暗証番号を聞き出して現金を引き出しに行けば、その間にカードを止められる可能性がある。そこで、現金を手にするまで女性を連れ去り監禁したのではと、親族は推察する。

この事件をめぐり逮捕されたのは、藤井柊容疑者(26)と、高梨謙吾容疑者(21)。20日、監禁された女性のキャッシュカードから現金が引き出されていたことが新たに判明した。

「『あなたが殺されていたかも』とかばってくれた」

そして、通報から約15時間後、警察に保護され、病院に搬送された50代の女性は…。

監禁された女性の母親:
お岩さんみたいな。目は出血してるし、真っ赤っかで、全身ガムテープってがんじがらめにすると変な痕付くのね。ぶったたかれたり蹴っ飛ばされたりしたんでしょう。右手骨折かどっちか片方打撲で、肋骨3本折れていたなんて。
迅速に逮捕していただいて、確保できて本当にうれしかった。ごめんねって、(家で)一人でごめんねって感じでね。娘が「あなたがいなくてよかった」って。「あなたが殺されていたかもしれない」ってかばってくれた。

母親には今、思うことがあるという。

監禁された女性の母親:
はっきり言って無防備でした。まさか自分の身にふりかかるとは。気にするぐらいで特段何するわけでもないし。実際に遭ってしまうんだなと思ってびっくりで、がっくりしています。
皆さんね、できる限り防犯した方がいいですね。みんな気をつけて下さい。
(「Mr.サンデー」10月20日放送より)