9回、万波が空振り三振に倒れ、ベンチで厳しい表情の新庄監督(撮影・金田祐二)

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 「CSパ・ファイナルS・第1戦、ソフトバンク5−2日本ハム」(16日、みずほペイペイドーム)

 ファーストSを突破したレギュラーシーズン2位の日本ハムは、パを4年ぶりに制したソフトバンクに2−5で敗れた。優勝チームに与えられる1勝のアドバンテージを含めて対戦成績は0勝2敗。日本ハムにとって17日の第2戦は、負けられない一戦となる。

 完敗だった。日本ハム・新庄剛志監督は「まだまだまだー、明日、明日」と明るい表情で報道陣の前に現れた。「ロッテ戦も最初負けてから勝ったんで、全然。4勝されるまでは、みんな間違いなく諦めないんで」とファーストSの再現を誓った。

 アドバンテージを含めて0勝2敗。1日で状況は一気に厳しくなった。CS制度となった07年以降、パではCSファイナルS初戦で敗れた下位球団が日本シリーズに駒を進めた例は一度もない。突破率0%の壁。そこに立ち向かうことになる。

 それだけ重みがあるファイナルS初戦。だからこそ、ファーストSで温存してまで先発にエース伊藤を起用した。序盤は甘く入った変化球を痛打され、四回には今宮に、五回には栗原に被弾。六回途中4失点で勝利に導けなかった。

 伊藤は「球は走っていた」と振り返る。それでも打たれた。「真っすぐに合ってないところを変化球を痛打されるっていうケースが多かった。シンプルに悔しい」。甘い球を見逃さない相手打線につかまった。

 新庄監督も「あの速い真っすぐを打ち返すんですから大したもんですよね。感心しました。さすがやなって」とこの日だけは相手打線に脱帽。伊藤には「本人が一番悔しいでしょう。次は今年の最後の意地を見せてもらいたい」と明言した。

 通常なら中4日で第6戦。建山投手コーチは「後がなくなったら行くかもわからない」と言う。第2戦を落とせば王手をかけられる。そうなれば中1日。新庄監督は「まあまあ(その日が)来たら分かります」とニヤリ。伊藤も「そのつもりで、しっかり準備したい」と誓う。史上初の0%からの突破へ、まだまだ諦めない。

 ◆CS突破率0% CS制度となった2007年以降、パ・リーグCSファイナルS第1戦で敗れた下位球団がCSを突破した例はない。なお、シーズン優勝球団へのアドバンテージ1勝制度は08年から。セ・リーグでは17年・DeNA(シーズン3位)がリーグ優勝した広島を相手に初戦敗退から4連勝で突破した例がある。