中国国防部「クアッドは米国の政治的道具」

中国国防部の呉謙報道官。(資料写真、北京=新華社配信)

 【新華社北京10月16日】中国国防部の呉謙(ご・けん)報道官は15日、米国、日本、インド、オーストラリアの海軍が8日にインド洋で実施した共同演習は「中国を念頭に、(4カ国の協力枠組み)『クワッド』を安全保障面で強化する狙いがある」とした報道に関し、クワッドは完全に米国が中国を抑え込むための政治的道具と化していると強調した。

 呉報道官は次のように述べた。中国は、国家間の防衛・安全保障協力は第三国の利益、地域の平和と安定を損なってはならないと考えている。いわゆる「クワッド」は、完全に米国が中国を抑え込み、覇権を維持するための政治的道具と化している。われわれは、関連国が至るところで中国のことを取り上げ、陣営対抗を作りだし、地域の緊張を高めることに断固として反対する。

 小さなグループに大きな成果は出せない。アジア太平洋地域は地政学上の駆け引きの闘技場ではなく、各国が手を携えて協力する大舞台となるべきである。われわれは関係国に対し、ゼロサム思考と対抗への執着を捨て、地域の共同安全保障に役立つことをより多く行うよう求める。これと逆であってはならない。