観光地の「イノシシを素手で捕まえたらお持ち帰りOK」が物議呼ぶ―中国

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中国では、四川省綿陽市北川県内にある九皇山景区で実施されている、観光客向けに「素手でイノシシを捕まえることに成功したらイノシシを持ち帰られる」娯楽を疑問視する人が増えている。中国メディアの極目新聞が伝えた。「景区」とは観光地として整備されている地区で、多くの場合には入場料が必要だ。

九皇山景区は同問題について10日、観光客に素手でイノシシを捕まえさせる娯楽を実施しているのは事実と説明した。参加費は景区の入場料金に含まれているので追加費用はない。イノシシを捕まえられたら、無料で持ち帰ることができるのも事実。ただし、体重15キロ以下の子どものイノシシと、子がいる母親イノシシは持ち帰ることを認めない。

中国のネットユーザーの間では、イノシシを素手で捕まえることは危険だと指摘する声が広がったイノシシの成獣は300キロもの体重があり、平均で5−7センチの牙があり、しかも時速40−70キロで突進するからだ。九皇山景区側は、素手で捕まえる対象になるイノシシは、牙を抜いていると説明。その上での安全性については、本人の考え次第と説明した。

九皇山景区はイノシシだけでなく、キジの卵拾い、キジやウサギの捕獲なども行っている。素手によるイノシシ捕獲を始めたのは最近のことではなく、成都商報によると、九皇山では2013年4月20日に初の九皇山「素手捕獲猟祭」が開催された。当時はイベントに参加して獲物を無料で家に持ち帰るだけでなく、1万元(現在の為替レートで約21万円)をもらうことができた。

なお、九皇山景区は、捕まえる対象になっているイノシシは人出により繁殖させたもので、野生ではないと説明した。北川県当局の職員も九皇山景区の捕獲用イノシシは人工繁殖によるものと説明した。(翻訳・編集/如月隼人)