1回、左翼スタンドへ先制ソロを放ち一塁へ駆ける森下(撮影・立川洋一郎)

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 「JERA CSセ・ファーストS第2戦、阪神3−10DeNA」(13日、甲子園球場)

 阪神・森下翔太外野手が最後に放った打球は二塁へのゴロに終わった。27個目のアウト。ねぎらいの拍手と敗戦のため息が交差する中、うつむいてベンチへと下がった。2年連続の日本一という夢には届かず。岡田監督を再び胴上げすることはできなかった。

 「悔しい結果に終わっちゃいましたけど、結果なんで仕方ないかなと思います。(胴上げは)もう一回できたら、最高の結果だったかなと思います」

 CSは孤軍奮闘とも言える活躍ぶりだった。初回2死。ジャクソンの153キロ内角低め直球を捉えると、打球速度172キロ、打球角度19度の弾丸ライナーで左翼ポール際に放り込んだ。「2アウトからでも自分が出られれば、いろんな展開が生まれる。最高の結果になりました」。初戦敗退の重い雰囲気を振り払い、一気にボルテージは高まった。

 ビハインドの展開でも三回2死では全力疾走で内野安打。五回2死一塁では四球を選んだ。9点劣勢の大差になっても、七回2死二塁では中前適時打。「自分のやるべきことに集中してやりました」。若きチームの顔がファンを沸かせ、大敗でも希望の光をともした。

 最後の打者となり、連敗でシーズン終了。それでも、CSファーストSは8打数5安打で打率・625、1本塁打、2打点と暴れまくった。1年間、苦しい時期も乗り越え、個人としては納得できる数字もあっただろう。「またオフシーズンに鍛え直して、次のシーズンで優勝をできるように準備していきたい」。もう来季へ向けた戦いは始まっている。

 11月には日本代表として、プレミア12にも出場する。「休んでる暇もないと思う。侍ジャパンに向けて自分はまだあるので、そこに持っていけるようにしっかり準備していきたい」。岡田政権の2年間で多くのことを学んだ。世界の猛者と真剣勝負をし、見える景色もある。来季はもっと強くなって、猛虎打線を引っ張る。