「悪口」「陰口」は聞き流せ! “消耗しない”人間関係のコツを伝授
無駄に悩まないために、「考え込むことをやめる」「人から言われたことを気にしない」「完璧主義をやめてほどよく手を抜く」などを実行しようとしてもなかなかできず、さらに悩んでしまう”悩みの無限ループ”にハマっていませんか。
しかし、悩むのは決して悪いことではありません。大事なのは悩みの対処の「方法」です。今回は、「一人反省会をして、いつも落ち込んでしまう人へ」(コハラモトシ著、樺沢紫苑監修、日本実業出版社)を紹介します。「今の自分」「人間関係」「将来の不安」「仕事」などの悩みの解決策と、心が軽くなる考え方をまとめた一冊です。
“ワンクッション”置く姿勢が大事
人から嫌なことを言われたときは、どうすればいいのでしょうか。著者である漫画家のコハラモトシさんは、ワンクッション置いて冷静に判断することの重要性を説きます。
「言われたことを真に受けて、他に悪影響が出るのは損でしかないです。言われた瞬間にカッとなって、暴力を振るってしまうのも大きな損です。そうした条件反射で感情的にならないための方法で、『あなたは、そう思うんですね』と心の中でつぶやくんです。『怒りも数秒待てばマシになる』みたいなのと同じで、ワンクッション置きます」(コハラさん)
「冷静な状態なら物事の判断もしやすいので、相手の言っていることが『一理ある』と思えば受け入れればいいです。そうでないなら聞き流す。嫌味や悪口を言われても、『あなたは、そう思うんですね』と心の中でつぶやきます。悪口を言われた時は、それが事実かのように聞こえたり、みんなもそう思っているように感じるけど、全然そんなことはないです」(同)
真剣に聞き入れるだけ損だし、取るに足りないものなので、「へー」とか「ふーん」と聞き流して大丈夫です。さらに、「解決できないことをバカにするヤツや、危害を加えてくるヤツは、注意するだけでは直らないので、「関わらない」が一番手っ取り早いともコハラさんは言います。
「それと、悪口を言う人はもちろん、『○○が悪口を言ってた』と悪口をデリバリーする人からも離れるのが賢明です。悪意があってもなくても、わざわざ嫌なことを伝えてくるなんて、気分が悪くなる。たとえば、飲み会などの人が集まる場では、悪口で盛り上がりやすいので、そこに自分が参加していなかった時に、悪口の標的にされることがあります」(コハラさん)
「それを知ったら気分が悪くなること確実なので、絶対に知りたくないけど、『〇〇が悪口を言ってたよ』とデリバリーしてくる人が時々いるんです。なるべくそうした人とは関わらないようにしたいものです。一度やったら二度三度とやるので、早いうちに関わらない方がいいです」(同)
悪口の多い人を避けることのメリット
社内で嫌われる人間には、いくつかのパターンがありますが、共通した特徴もあります。陰口や悪口の多い人です。陰口や悪口は聞いていて気持ちの良いものではありません。たとえ親しい間柄であっても、陰口や悪口は絶対に口にしてはいけないものなのです。
ところが多くの人は憂さを晴らすかのごとく、酒が入れば上司の陰口や悪口の大合唱になります。飲み会の席だったらいいだろうと、羽目を外してしまうわけです。優秀なビジネスパーソンは、陰口や悪口はいずれ自分に戻ってくることを知っています。
知人の経営者は、陰口や悪口を話す人とは絶対に付き合いません。そのような人が客で来たら、見送りの後に洗面所で手を洗い、火打石を鳴らし、まき塩をさせています。それは、ばい菌を消毒するかのごとく徹底しているのです。
では、もしも周囲の人が酒宴の席で陰口、悪口大会を始めたら、どう対処すればいいのでしょうか。一番簡単なのは、聞き役に徹して否定も肯定もしないことです。
あるいは優秀なビジネスパーソンは、陰口や悪口で盛り上がっても聞き終わってから「でも部長には××のような良い面もあるよ」「先日、部長と一緒に行動したら○○みたいな感じだったよ」と矛先をかわすものです。
話を合わせてしまうと、自分も陰口や悪口を言っている人と同じになってしまいます。こうした会話は、どれだけクローズドな仲間同士でも、どこかから伝わるリスクがあるものです。逆に言えば、その席でこんな風にポジティブな発言をすれば、それがどこかから当人に伝わる可能性もあるわけです。悪口や陰口を言う人からは離れることが賢明なのです。