走り込む高橋(撮影・田中太一)

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 阪神は12日から「2024 JERA クライマックスシリーズ セ ファーストステージ」を戦う。ポストシーズンで活躍する選手の代名詞「ミスター・オクトーバー」になるのは誰か。2019年のCSでDeNA戦と巨人戦に登板した高橋遥人投手(28)を取り上げる。

 頼れる左腕が3年ぶりにCSの舞台に帰ってくる。13日・DeNAとのファーストS第2戦に先発予定の高橋は、中7日で21日・巨人とのファイナルSに登板する可能性もある。

 「そうですね。そこにかける…。どの試合もそうですけど、そういうのは球場全体から伝わってくるので」

 19年のCSでもDeNA、巨人と対戦。21年のCSでは巨人とのファーストS初戦で、菅野との投げ合いに6回3失点で敗れ、チームもそこからファイナルS進出を逃した。今季は、左肘など度重なる手術から3年ぶりに復帰し、21年以来となる大舞台。独特の雰囲気、緊張感はしっかりと体が覚えている。

 「この前のジャイアンツ戦もそういう感じがしたので」と振り返るのは、9月23日の甲子園、1ゲーム差で臨んだ首位・巨人との直接対決。6回1失点の好投も、打線の援護に恵まれずに惜敗した一戦でも感じていた、独特の空気感。21年以来の対戦だったが「あまり変わっている印象はなかった」と話す。

 今季、チームが対戦打率・290と打たれている丸も、3打数無安打に抑えた。ただ「次、相手がどう対応してくるのかなと。ポストシーズンは全然違うと思うので、投げながら、感じながら。自分のボールを投げられるようにというのが一番大事」と慢心はない。何より、まずはファーストSでのDeNA戦だ。

 自身、20年以来の対戦。「強力な打線だなと思うので。投げながら、しっかり感じながら。ピンチとかも来ると思うんですけど、しっかり落ち着いてリスクないように」。牧、宮崎、オースティンと右の強打者がそろうが、高橋は今季、被打率が対右打者は・180、対左打者は・200と、右打者にも強いのは好材料だ。さらに甲子園は今季3試合で防御率1・93と地の利も生かしたい。

 復帰後は4勝1敗、防御率1・52をマーク。チームを救ってきた左腕は短期決戦への心構えを力強く語る。「緊張はみんなするし、それでボールが変わるとかあったらダメだと思う。緊張とかメンタルとかよりも、技術の方が上。緊張は絶対しますけど、そこでブレるようなことではないのかなと」。自分の投球を貫き、CSでも無双する。