急な気温低下で秋の訪れ感じるも再び夏日へ…“高温傾向”続くワケ「台風19号の進路」朝晩と日中の気温差に要注意!

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急に気温下がり…秋の訪れ

最近、急に気温が下がったので、着る服が無い方や体調を崩した方もいらっしゃるのではないだろうか。7日(月)は都内5カ所で30度を超えたが、翌日の午後には気温が18度台まで下がり、前日より10度以上も下がってしまった。気温の低い状態は全国的に10日(木)まで3日ほど続いた。

“高温傾向”台風19号の進路

やっと秋らしくなった感もあるが、急に秋になった印象もある。では、この先もこの状態が続くのだろうか?筆者が気になっているのは、10日現在、日本の東海上を北上中の台風19号の動きだ。この台風の動きは、この先の高温傾向を示唆しているように思えるのである。

秋台風は、本州付近の緯度に達すると東に流されるが、今回の19号は、まっすぐに北上する予想である。これは上空の偏西風が潜在的にまだ北にあることを意味する。

そこで、2023年以前の台風を10年ほどさかのぼって調べてみた。日本の東海上を東に流されずに北上した台風は、2013年、2015年、2016年、2017年、2022年にあるが、このうち2016年、2017年、2022年は7月から9月に北上しており、本来、偏西風が日本よりも北にある時期である。しかし、2013年と2015年は10月の台風が日本の東海上を北上しており、2024年と同じ状況だ。偏西風が10月にいつもの年よりも北にあるという事だが、それが何を意味するのか?

偏西風は、暖かい空気と冷たい空気の境目を流れ、気温差があるほど強い風となる。つまり、偏西風が北にあるということは日本付近が暖かい空気の勢力範囲に入っているということだ。そして、台風が10月に日本の東海上を東に流されずに北上した2013年と2015年の秋は共に、寒暖変動が大きく、平均的には高温傾向だった。

偏西風がいつもの秋より北を流れる

では2024年の秋はこの先、高温傾向なのか?気象庁が10日、11月8日までの1カ月予報を発表したが、全国的に気温が高めと予想した。

その理由として、この先1か月も偏西風が平年よりも北に偏って流れる事をあげている。特に注意を要する事項として、向こう1か月の前半は気温がかなり高くなるとしている。

今後も続く“高温傾向”

9日から11日にかけて気温が急激に下がったが、これはどうも一過性で、さっそく12日には関東から西では25度以上の夏日が戻ってきそうである。

12日から14日の3連休も日中は夏日が続く見込みで高温傾向だが、朝はヒンヤリして、朝晩と日中の気温差が大きくなる。こういう時は気づかないうちに身体が冷えて体調を崩すので要注意だ。

また、高温傾向の秋は、晴れの日と雨の日の気温変化も大きくなり、ジェットコースターのように寒暖変動があるので、特にこの時期の服装選びは注意していただきたい。
三井良浩(フジテレビ気象センター・気象予報士)