「もはや罰ゲーム」松屋の“二郎系牛めし”にまさかの大酷評? ジロリアンが指摘するラーメン二郎との“決定的な違い”とは…
10月1日より牛丼チェーン『松屋』が期間限定で発売している“二郎系の牛めし”こと、「ニンニク野菜牛めし」がSNSで注目を集めている。コメントを見ると賛否が真っ二つにわかれているようだが、この牛めしを“ジロリアン”の方に正直にレビューしてもらった。
【画像】二郎系「松屋」牛めし、実際の商品写真。上部のにんにくが物議
「これは悪魔的」松屋で新発売された二郎系牛めし
「ニンニク野菜牛めし」の販売を知らせるポスタービジュアルには「野菜多め 超味濃いめ にんにく強め」「インスパイア系松郎牛めし」と書いてあることから、松屋が公式としてしっかり“ラーメン二郎”を意識していることがわかる。
ただ、この商品は松屋全店舗ではなく、全国68店舗での限定発売。全国に1000件以上の店舗を持つ「松屋」の規模からすると、かなり限定的なエリアでの発売のため、今回の販売は実証実験的なものだと思われる。
しかしSNS上では〈みんな松屋で二郎食えっぞ!〉と画像付きでニンニク野菜牛めしを投稿したユーザーのポストが、1600万以上のインプレッションを超えるほどの大バズを記録。
〈やばいくっっそうまそう〉〈並ばないで二郎が食べれるんだわ~い〉〈これ食べたい、飯テロすぎる〉〈これは悪魔的すぎんだろ…〉などと全国的な大フィーバーを起こした。
だが、それからしばらくした後、今度は〈松屋のニンニク野菜牛めし食ってきました
結論 やめとけ。死ぬほどまずい。
松屋でコレまでハズレ引いたこと無いが、コレに関しては二郎系でもなんでもない〉というポストが、これまた1600万以上のインプレッションを記録するほど大拡散する事態に……。
どうやら今回の「ニンニク野菜牛めし」には賛否が真っ二つに割れ、評価が二分してしまっているようだ。
いったいこの新商品の何に問題があるのだろうか。そして、ラーメン二郎を愛する“ジロリアン”の人々は、この牛めしをどう思っているのか。
ラーメン二郎を全店制覇し、二郎インスパイア系ラーメンをレビューするYouTubeチャンネル「アカボシマシマシTV」を運営するお笑い芸人のアカボシさんに話を聞いてみた。
まず、最大のポイントであるのは、この「ニンニク野菜牛めし」は、本当に二郎インスパイア系の牛丼と言えるのかという点だ。
もはや罰ゲームとの声も… 何が問題だったのか
「正直、二郎系ラーメンとは全く別物だという感想を持ちました。唯一の共通点はヤサイ。モヤシとキャベツを乗せている……ここだけです。その上でさらに決定的に違うと思ったのは、牛めし上部に乗っている、“ものすごくしょっぱいニンニク”ですね。
二郎系は豚肉、松郎は牛肉、麺と米の違い、など明らかに前提として異なる部分は一旦置いておいて、ヤサイの上に乗っている醤油で和えてあるこのニンニクが、二郎系ですらあり得ないほどしょっぱかったです」(アカボシさん、以下同)
確かニンニク醤油の“異常なしょっぱさ”は、食べた多くの人から苦言を呈されている。もちろん、このしょっぱさをいいとする人もいるが、一部では〈もはや罰ゲーム〉とまで言われるほどだ。
アカボシさんも「もしかしたらここに少し背脂も絡めてあって、豚の甘みで緩和するのかも知れないと思ったのですが、あまりの塩気に入っているかどうかすらわかりませんでした」と首をかしげる。
なお、松屋公式サイトで栄養成分表を見ると、通常の「牛めし」(並盛)は塩分3.0グラムなのに対して、「ニンニク野菜牛めし」(並盛)の塩分は9.7グラムだった。
厚生労働省が推奨している成人男性の1日の塩分摂取量の目安は7.5グラム以下。たった一食で、一日分の塩分摂取量を大幅に上回っている。
「二郎インスパイア系では一部、醤油とニンニクで和えたものをヤサイのてっぺんに乗せるお店もありますが、それとは形状が異なります。良く言えば、独自性の高いトッピングだとも言えるのですが……。
さらに二郎系のほとんどは生の刻みニンニクを丼の横に盛り、味の濃さ(カラメ)についてはカエシをヤサイの上から掛けるか、スープに入れるカエシ量を増やすかの二択となっています。
ニンニクと和えた醤油の濃度、塩分がいきなり飛び抜けて盛られているのは、ラーメン二郎を"インスパイアしている"のとは大きく違うかなと思いました。推察ですが、ゆでたヤサイと背脂とニンニクをただ乗せただけでは、独自性のある新商品として成り立たないなどの経緯もあったのかなとは思いますが……」
松屋に改良してほしいポイント!
味の濃いラーメンを食べ慣れている、ジロリアンのアカボシさんからも“しょっぱい”という評価を受けるのであれば、一般のユーザーが悲鳴をあげてしまうのも当然だろう。
ただ、おそらく今回の「ニンニク野菜牛めし」は、販売店舗数などから察するにまだ実験段階の商品。これから一気に美味しくなる伸びしろがあるはずだ。
どこら辺を改善すればよいのか。アカボシさんは「おすすめの食べ方を掲載するのはどうでしょうか?」と考える。
「普通に食べると味が濃すぎるので、例えば、『ニンニク醬油はご飯と混ぜて馴染ませながら食べる商品となっております』みたいな感じで提示してくれると親切かもしれません。
また、ご飯を多くすると、ヤサイも醤油ニンニクも一緒に多くなってしまう大盛システムも変えるべきなのかなと。松屋には“アタマだけ大盛り”みたいなシステムがあるので、この商品こそ、ご飯と具材を、人それぞれが好きな配分に調整できるのがよいかと思います。
あとは難しいとは思いますが、やはりジロリアンとしては注文した段階で『ニンニク入れますか?』があったら良いなぁと思いました笑(券売機で選べても嬉しいですね)」
商品単体としてみれば、二郎系ではないものの美味しい仕上がりにはなっているという。ただ、「店員さんのオペレーションのスムーズさを優先するあまり、もっとインスパイアしなければいけない部分をすっ飛ばした印象はあります」とのことだ。
“インスパイア系松郎牛めし”と名乗るからには、もっと改善する余地がある「ニンニク野菜牛めし」。いつか全店舗で発売されたときには、完璧な“松郎牛めし”になっていることを期待したい。
取材・文/集英社オンライン編集部