自分への「ご褒美のお歳暮」商品テーマは温活、時短・タイパ、高級グルメ…「自家需要」で広がる商品 “若者のお歳暮離れ”の一手に

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東京の百貨店で7日、お歳暮の試食会が開催され、非常食や時短商品などに注目が集まった。最近は、自分へのご褒美としてお歳暮を購入する「自家需要」が増加しており、若者のお歳暮離れ対策として、百貨店は自家消費用の商品に力を入れている。

お歳暮に“自分へ”のプレゼント需要

2024年も残り3カ月。7日、東京・中央区の日本橋三越本店で、今年初となるお歳暮の試食会が開催された。

お客さんたちは、美味しそうな商品に目移りしながら試食を楽しんでいた。そこには、お歳暮の試食会のメニューが並んでいたが、中には長時間常温で保存ができる常備食をテーマにしたスープやタイムパフォーマンスを意識したカルツォーネなどが並んでいた。有事の際の避難生活などに使用される、非常食がお歳暮として並んでいたのだ。

三越伊勢丹ギフトデザイン営業部・古口晃久氏は「今回の例えば時短だとか備蓄だとか、あとは今回、縁起物みたいなものもテーマで入れていますので、新たなニーズを提案するのがテーマだと思っています」と語る。

お歳暮とは本来 「年末に贈る、お世話になった人への贈答品」だ。

しかし、最近では1年間頑張った自分へのプレゼント需要も一定の割合であるという。

例えば、自宅でゆっくり過ごすときに使える温活をテーマにしたギフト「3種の具だくさんスープ詰め合わせ」や、忙しい共働き世代や子育て世代が自分で使いたい「時短・タイパ」ギフト「冬のカルツォーネ4種セット」だ。

試食会に参加した30代の女性は「日頃の自分への労りというかご褒美的な感じで、美味しいものをたまに買うのはいいかなと思います」とコメントした。

手軽な価格で贅沢気分…「自家需要」の商品数増加

百貨店側が「自家需要」商品に力を入れる背景には、年々深刻化する「若者のお歳暮離れ」がある。

松屋銀座でも、自宅用と銘打った商品数を前年の1.6倍に増やした。本格的な鍋焼きうどんや宮崎牛など、お家で贅沢気分が味わえるメニューが並んでいた。物価高が続く中、手頃な価格でブランド牛や手の込んだ料理を味わうことが出来る。

松屋銀座・柏木雄一食品部長は「大切な方と年末などに時間を共有して、一緒に過ごすという方もやはり多くなった。そういった中に自家需要のニーズが生まれているのかなと」と語った。

「自家需要」で若い世代を取り込めるか、本格商戦はまもなくスタートする。
(「イット!」10月7日放送より)