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 中日が次期監督として井上一樹2軍監督(53)の内部昇格を決め、就任を打診したことが3日、分かった。井上2軍監督がナゴヤ球場で取材に応じ、「要請があったことは事実」と前日2日に球団から話があったと明かした。シーズン中のため返答は保留。球団は全日程終了後に改めて正式要請する方針で、受諾には支障はないもようだ。

 昨季は球団初の2年連続最下位に沈み、残り3試合になった今季も3日時点で最下位に低迷。3年契約の最終年だった立浪監督が先月18日に今季限りでの退任を表明したことで球団は後任候補の人選に着手し、当初から井上2軍監督が有力候補に挙がっていた。

 井上2軍監督は89年ドラフト2位で鹿児島商から投手として入団。94年から野手登録に変わり、3度のリーグ優勝や07年の日本一に貢献するなど中日一筋で20年間プレーした。引退翌年の10年に落合監督のもとで1軍打撃コーチに就任し、2軍監督も歴任。阪神でもヘッドコーチなどを務めた。

 今季から2軍監督として11年ぶりに古巣復帰。2年連続最下位だった2軍をウエスタン・リーグ2位に引き上げた。育成手腕と、新戦力を積極起用するなど陣容刷新を進めた立浪監督の路線継承を期待されたとみられる。加藤宏幸球団本部長は「現段階でコメントすることはない」と語るにとどめた。

 ◇井上 一樹(いのうえ・かずき)1971年(昭46)7月25日生まれ、鹿児島県出身の53歳。鹿児島商では2年夏に甲子園出場。89年ドラフト2位で投手として中日入りし、94年に外野手転向。99年は初めて規定打席に到達しリーグ優勝に貢献。09年引退。1軍通算1215試合で打率.275、79本塁打、349打点。10年から13年は中日で打撃コーチや2軍監督を歴任。20年から22年は阪神で1軍ヘッドコーチなどを務め、24年は中日2軍監督。左投げ左打ち。