京都府議会に出席する、京都府警の白井利明本部長(右)=2024年10月3日午後1時10分、京都市上京区、新井義顕撮影

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 京都府警の白井利明本部長(56)が「殺すぞ」などと部下に発言したとされる問題は、現職の警察本部長が処分、更迭されるという異例の展開となった。

 同じような発言を浴びせられたと証言する府警幹部もおり、専門家は警察組織の構造上の問題を指摘する。

【写真】「殺すぞ」と暴言の京都府警本部長を更迭 警察庁長官訓戒処分で

 3日午後1時15分から始まった府議会本会議。スーツ姿で出席した白井本部長は演壇へ進み、硬い表情で謝罪や自身の処分理由を語り始めた。

 「不適切な発言があったことは事実であり、大変申し訳ありません」。1分ほどの発言の間に計3度、頭を下げた。

 反省を口にした白井本部長だが、府警幹部は今回の処分理由とされた2回の「殺すぞ」以外にも、暴言を浴びせるケースがあったと証言する。

 ある幹部は昨年、「ばかやろう」「このやろう」と面前で責められたという。周囲の幹部も同じように言われていたといい、「印象は、瞬間湯沸かし器だ」と振り返る。

 仕事熱心との評価がある一方、「思ったように仕事が進まないと、べらんめえ調で怒り出す人」という。警察庁長官訓戒、更迭という異例の処分にも、この幹部は「言葉が厳しすぎると、自信がなくなる人もいる。処分は仕方がない」と淡々と受け止めた。