なぜお金をもらったら「所得税」を支払うのに、お金を失うときも「消費税」などの税金がかかるのですか?

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日常生活では、さまざまなシーンで税金を支払っています。例えば、収入を得たときは所得税、商品を購入するときは消費税、財産を受け取ったら贈与税などが課税対象です。 お金を得たときだけでなく、支払うときにも税金が発生するため、なぜ税金の種類が多いのか疑問に感じる方もいるようです。また、税金の具体的な使い道が分からない方もいるでしょう。 今回は、税金の使い道や税金の種類が多い理由、また税金の分類などについてご紹介します。

税金の使い道とは

国民から集められた税金は国や自治体の財政の一つです。税金によって支えられている財政は、おもに「公共サービスや施設の提供」「所得の開きを縮める」「景気調整」の3つの役割があるとされています。
国税庁によると、令和6年度予算における財政の歳出項目は以下の通りです。


・社会保障関係費
・公共事業関係費
・文教及び科学振興費
・防衛関係費
・経済協力費
・地方交付税交付金等
・国債費
・その他

なお「文教及び科学振興費」とは、教育や科学技術発展のために使われるお金をいいます。
最も多い歳出の割合は社会保障関係費で、年金や医療保険など国民の生活や健康のために用いられています。税金は私たちの生活のために多く使われているといえるでしょう。
 

税金はなぜさまざまな種類があるのか

税金の種類が多い理由として、納税の義務を果たしてもらうために、国民の公平感が必要だと考えられているためのようです。公平の原則として、「水平的公平」「垂直的公平」「世代間の公平」の3つから成り立っており、それぞれの説明は以下の通りです。


・水平的公平:経済力が同等の方に等しい負担を求める税金
・垂直的公平:経済的に豊かな方へより大きな負担を求める税金
・世代間の公平:現役世代だけでなく将来の世代の負担も考慮し、世代に関係なく安心できる公的制度

水平的公平は消費税、垂直的公平は所得税、世代間の公平は年金などです。より公平に税金を集められるようにするため、複数の税金を組み合わせており「社会の会費のようなもの」ともいわれることもあるようです。
 

税金の分類

税金は国税や地方税の「どこに納めるか」と、直接税や間接税の「どうやって納めるか」によって分類されます。国税庁が公表している、大阪府租税教育推進連絡協議会の資料によると、各分類の税金例は表1の通りです。
表1

直接税 間接税 国税 ・所得税
・森林環境税
・相続税
・贈与税など ・消費税
・たばこ税
・関税
・印紙税など 地方税 ・都道府県民税
・市区町村民税など ・入湯税
・地方消費税など

※大阪府租税教育推進連絡協議会「令和6年度版 わたしたちの生活と税」を基に筆者作成
直接税とはその税金の納付義務がある人と、実際に支払う人が同じ税金です。自分で申告をする必要があります。一方、間接税は税金の納付義務がある人と、実際に支払う人が異なる税金です。
例えば、消費税の納付義務は商品を購入する消費者ですが、事業者が代わりに納税します。
 

税金の種類が多い理由は「できるだけ公平に税金を集めるため」

税金は医療保険や年金、教育、科学技術など私たちの生活に深くかかわる項目で多くが使われています。そうした財政を支える税金の種類が多い理由は、さまざまな人から公平に税金を集めるためです。
商品を購入したときの消費税や、所得が高くなるにつれて税率も高くなる所得税などで、公平の原則が守られています。もし税金の種類が少なくなれば、公平性が保たれなくなる可能性もあるでしょう。
税金の分類はどこにどうやって納付するかで分類でき、申告方法や申告する人も変わる点が特徴です。種類によっては自分で申告する必要があるため、分からない場合は税務署に確認しましょう。
 

出典

国税庁 大阪府租税教育推進連絡協議会 令和6年度版わたしたちの生活と税(4ページ)
国税庁 税の学習コーナー データ集 国の一般会計歳出額 内訳(令和6年度当初予算)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー