暑い日にトイレの換気扇をつけないとどうなる? 電気代が気になりますが、点けっぱなしの方がよいの?

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電気代を節約するうえで、常に稼働している家電や設備にかかる電気代を気にする方は多いでしょう。そのなかの一つが「トイレの換気扇」です。今回は、トイレの換気扇にかかる電気代と、暑い日に点けっぱなしにすべきか否かについて解説します。

トイレの換気扇は点けっぱなしがよい

結論として、トイレの換気扇は点けっぱなしのほうがよく、電気代を気にする必要はありません。
トイレの換気扇は排泄時の臭いや湿気を換気で取り除く役割を果たしており、その都度使うよりも点けっぱなしのほうが高い換気機能を発揮します。とくにトイレは、水を使用する場所です。便器や給水タンクには常に水があるため、換気扇をつけないと湿気がたまりやすく、カビや雑菌が繁殖してしまうかもしれません。
また、トイレの換気扇は自宅内のほかの換気扇よりも消費電力が少なく、一般には3W程度が目安といわれています。詳細な電気代は後述しますが、トイレの換気扇に大きな電力を使うことはないでしょう。
 

点けっぱなしでも年間の電気代はおよそ788円

トイレの換気扇を点けっぱなしにすると、どれくらいの電気代がかかるのか気になる方もいるでしょう。前述したように、一般家庭におけるトイレの換気扇で使われる消費電力は3W程度といわれています。
一般社団法人エネルギー情報センターによると、2024年4月時点の電気料金単価は「30.22円/kWh」とされています。1kWhは1000Wの消費電力の製品を1時間使った場合にかかる金額です。そのため3Wの場合は「0.003×30.22円」で、1時間あたり約0.09円の電気代がかかります。
仮に1年間点けっぱなしにしていた場合でも「0.09円×24時間×365日」で、約788円です。1年間で1000円を下回るなら、換気扇を消して衛生面の不安が残るよりも、点けっぱなしにしたほうがよいといえるでしょう。
 

暑い日にトイレの換気扇を止めるとどうなる?

夏は室温が高く、湿気も多い季節です。トイレのような閉所かつ密室の場所だと、室温はどんどん上がっていき、臭いがこもりやすく、雑菌が繁殖してしまうでしょう。ここからは、暑い日にトイレの換気扇を止めた場合に起こるリスクについて解説します。
 

臭いが壁に染み込む

暑い日にトイレの換気扇を止めた場合にまず考えられる問題として、臭いが挙げられます。トイレの臭いは、換気扇が働いていないとそのまま室内に留まり、壁や天井に染み込んでしまいます。一度壁に染み込んだ臭いは取り除くのが難しく、長期間にわたって不快な臭いに悩まされるでしょう。
 

カビや雑菌が増殖しやすくなる

トイレは湿度が高くなりやすい場所です。とくに暑い日は温度も高くなるため、カビや雑菌が繁殖しやすい環境といえます。カビや雑菌が発生すると、トイレの清掃が大変になるだけでなく、最悪の場合はカビを吸い込んで健康被害をおよぼす可能性もあるでしょう。トイレは自宅にいる限り必ず使用するため、清潔に保っておかなければなりません。
 

トイレにかかる費用を節約する方法

ここからは、換気扇を消さなくてもトイレに関わる費用を節約する方法を紹介します。少しでも光熱費や水道代を節約したい方は、以下の方法をお試しください。
 

洗浄レバーの大と小を使い分ける

トイレにかかる費用を節約するための方法として、洗浄レバーの「大」と「小」を適切に使い分けるのがおすすめです。多くのトイレには、この2つの洗浄モードがあり、それぞれ水の使用量が異なります。
一般社団法人日本レストルーム工業会の資料によれば、トイレの洗浄に使う水量は大で約5リットル、小で3.8リットルの製品が多いようです。1回の洗浄で1.2リットルも差があるため、常に気をつけていれば1年間で大幅な節水につなげられるでしょう。
 

暖房便座を使いすぎない

もう一つの節約方法として、暖房便座の使い方を見直すことが挙げられます。冬場に重宝する暖房便座ですが、暑い日は電気を節約するためにも、温度設定を低くし、便座にフタをして熱を逃がさないようにしておくことがおすすめです。とくに使用しない時間帯には電源を切っておけば、電気代を大幅に節約できるでしょう。
 

トイレの換気扇にかかる電気代は安い

トイレの換気扇を暑い日に点けっぱなしにしても、電気代は大してかかりません。衛生面を考慮するなら、電気代を気にして消しておくより、点けっぱなしにして空気を循環させ続けたほうがよいでしょう。節約するポイントはほかにもあるため、洗浄や暖房便座など別のポイントに注目することをおすすめします。
 

出典

法人・家庭の電気料金の平均単価の推移(特高・高圧・低圧別)
一般社団法人日本レストルーム工業会 各社節水便器の変遷
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー