「従来の常識にとって悩ましい存在だ」前人未踏の記録達成でも大谷翔平のMVP選出に”異論”が出るのはなぜ？ 現地メディアが主張「50-50に届かなければ疑念が生じる」

すでに前人未踏の「46-47」に達している大谷だが、MVP獲得のためにはさらに大きなインパクトが求められているようだ(C)Getty Images

　大記録が目前となり、もう一つの偉業達成もより現実味を帯びてきている。

　前人未到の「50本塁打・50盗塁」まで残りわずかとなっているドジャースの大谷翔平。毎試合、そのバットや、ランナーとして塁上でかまえる姿には、多くの視線が注がれている。

【動画】「46‐47」達成！大谷翔平が今季47盗塁を決めた“完璧”な二盗シーン

　打撃、盗塁で驚異的な数字を残してきている「日本人スター」は、シーズンMVPをめぐる議論の主役でもある。最有力候補にも挙げられる一方で、指名打者専任でプレーを続けている今季の大谷に対しMVP選出の“資格”を問うさまざまな声が伝えられていることも事実だ。

　スペインメディア『as』の米国版では、現地時間9月9日（日本時間10日）、「ショウヘイ・オオタニのMVP獲得の問題点」と銘打ったトピックを配信。その中では、「指名打者は守備に就かないためMVPになれないというのが通説」と論じており、その上で、「オオタニは従来の常識にとって非常に悩ましい存在だ。というのも、彼はバットで歴史的なシーズンを送っているからだ」と綴っている。

　前例の無い、指名打者でのMVP選出有力と見込む同メディアだが、ここまでの盗塁数については「MLBの盗塁阻止制限のルール変更により、盗塁が歴史的に見てはるかに容易になったため、オオタニの数字が膨らんだとみられる」と指摘。大谷が受けているとする“恩恵”にも言及している。

　それにより、「今シーズン、オオタニがMVPを獲得するには、本当に並外れた何かが必要かもしれない。ドジャースがワールドシリーズで優勝しなかったり、彼が三冠王を獲得しなかったり、『50-50』の目標に届かなかったりすれば、彼にとって3度目のMVPを逃すだけの疑念が生じる可能性が出てくるだろう」と主張する。

　同メディアは、現在の大谷の打率がリーグトップから引き離され三冠王は難しいと見通しており、またワールドシリーズ制覇も「あれほど素晴らしいチームなのに、10月になるといつも崩れてしまう」として、今季も困難であると予想。

　その上で、「残るは『50-50』だ。どんな条件があろうとも、歴史的なMLB記録を樹立すれば、ショウヘイ・オオタニはMVPレースで負けない選手になるだろう。そしてもしそうなれば、疑念を抱いていた人たちでさえ、彼に敬意を表さざるを得なくなるかもしれない」と結論付けている。

　現在までの「46-47」はすでに、メジャー記録として刻まれる数字であることは言うまでもない。よりインパクトのある「50-50」に到達することで、大谷自身3度目のMVPに限りなく近づくはずだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]