家の庭や塀をつくる外構費用は意外に高額です。4年前にハウスメーカーで家を建てたライターは、安全面に関わる工事を優先して行い、代わりに庭については目隠し用の木を植えることだけにとどめました。これにより、67万円をコストカット。庭の仕上げは、住んでから家族でDIYしたのです。思い出づくりになったうえに、仕上がりにも大満足。詳しく語ります。

外構の提案書に満足。しかし金額を見てめまい

筆者は、4年前に住宅メーカーで、2階建ての注文住宅を建てました。1階には玄関、LDK、趣味室、トイレが。2階には浴室、洗面所、ランドリールーム、主寝室、子ども部屋、トイレ、来客用のスペースがあります。この家に、夫と子ども2人(9歳と7歳)の4人で暮らしています。

わが家にはLDKの前に、7.3坪の庭があります。土地を購入した際、ほかの住宅との境界線になっているブロック塀以外は、外構工事をする必要が。

また、防災マップによると浸水想定区域なので、道路よりも建物が高くなるように、敷地の土を盛らなければなりません。

庭に関して業者に伝えた要望は、「高い塀で囲み、住宅街でも人目が気にならず、眺めて楽しめるものにしたい」ということでした。

そうして、業者から上がってきた提案書がこちら!

小道の周りに木々や植物があり、大変気に入ったのですが、その外構費用の金額を見て、めまいが。全部詰めこんだら、想像以上にお金がかかるという、現実を知ったのです。

そこで、すてきな部分を残しながら、外構工事の費用を減らせないかと考えました。

外構費用は安全面の工事を優先し、ほかは削減

まず削れないもの。それは安全面。土地全体を高くするための費用は、外構工事に含まれます。これがかなりの金額に。しかし仕方ありません。

加えて用水路沿いも、安全面を考えてブロック塀が必須の状況。道路からよく見え、家の印象に直結するため、このブロック塀は少々お高くなっても、気に入ったデザインを採用しました。建物と合う横長のモダンなホワイトのブロック塀に。

ただし、駐車場奥にあるバックヤードへのブロック塀は、金額がいちばん安いものに変更。なるべく既存のブロック塀や建物の壁の面を利用し、最小限の大きさでつくりました。

安い素材に変えましたが、クルマが停まっていたら、まったく見えない場所なので、変更しても後悔はなし。また、提案書にはここに小さな庭スペースが組み込まれていました。しかし、見えないしそこもカット。

造園業者には目隠しにする高低木だけ依頼。

ブロック塀はもっと高くして、まったく外が見えないようにしたかったのですが、高く積むとそのぶん資材費用も上がります。そこで、背の高い常緑樹をブロック塀沿いに植えて、高さをカバーすることにしました。生垣としても使われるシラカシという常緑樹を、右の壁沿いに使用。

こちらが引き渡し直後の様子。提案してもらったなかで、外構業者に植えてもらった木はこれだけ。大きく育った木は値段が高いので、目的に合う最小限の数に絞りコストカットしました。

庭の地面は家族の思い出づくりでDIY

もともとは地面まで業者に手を入れてもらう提案内容でしたが、それをなくし、大幅に費用削減しました。

そして地面の部分は、「家族の思い出づくり」としてDIYすることに。じつは夫には、実家の庭を、まさに同じような状態から家族でつくり上げた思い出が。とても楽しかったから、この家でも子どもたちと一緒にやりたいと。

とはいえ、庭づくりなんてしたことのなかった筆者たち。素人でできるものなのか? 外構担当者に相談したところ、「もとの図面を参考に、アプローチの形を考えたり、植物を植えたりすると、失敗が少ないですよ!」と、ありがたいアドバイスをいただきました。

そこで提案書を参考に庭づくりを開始。まずはアプローチからつくりました。最初にアプローチから取りかかってよかったです。花壇はないものの、緑を植える場所が明確になり、悩まずにすみました(植えるものには悩みましたが…)。

イメージは里山と、イングリッシュガーデンをたした感じ。「緑×レンガ」「枕木×砂利」の組み合せが、いい雰囲気になっています。

アプローチを縁どるレンガや砂利は、ホームセンターで購入した安いもの。枕木に見えるコンクリートとアンティークレンガは、ネットで購入。周りの植物は、ホームセンターや花屋、ネットで購入しています。費用はかなり安く抑えることができました。

提案書にアプローチの形はありませんでしたが、道の形を参考に自分たちでラインを決定。あとは好みの画像をひたすら集めて参考にして、素材や形を決めていきました。正直この決めるまでにとても労力が必要でしたが、結果、予想以上のでき栄えに!

写真は当時のもの。幼稚園児と小1だった息子たちも参加して、一緒につくりました。地面が完成したときのあの喜びを分かち合えたのは、すばらしい思い出です。

息子たちが選んだ植物の花が咲くと、いまだに「あれは僕の」と誇らしげに言うことも。

67万円コストカットできて、思い出深い庭に

DIYした結果、費用は67万円抑えることができました。必要な部分は妥協せずに実現できたので、「やめたもの」についての後悔はありません。むしろ必要なものを厳選する、よいきっかけになりました。

プロがつくったら、きっともっと美しくなったかも。しかし、思い出づくりができたおかげでしょうか。素人ながら家族でDIYしたこの庭の眺めが、筆者にとっては最高に心地よいのです。