クローゼットの場所次第で、家の使い勝手は大きく変わります。3年前にハウスメーカーで家を建てたライターは、LDKのすぐ近くにプラン。子どもたちの遊び場になっている和室からもアクセスできるよう、出入り口を2つつくりました。すると、洗濯家事の負担が激減。リビングが脱ぎっぱなしの服で散らかることもありません。快適な間取りの工夫を紹介。

1階でできるだけ家事や子育てが完結する間取りに

筆者は夫と子ども3人(8歳、5歳、0歳の男の子)の5人家族で暮らしています。3年前にハウスメーカーで、延床面積38坪の2階建ての家を建てました。

上は1階の間取り図です。家づくりではこの1階で家事や子育てが、できるだけ完結するように工夫しました。ちなみに、間取りは以下のようになっています。

1階:LDK、寝室、和室、洗面所、脱衣所、浴室、トイレ、クローゼット
2階:子ども部屋(3室)、トイレ、屋根裏収納

以前住んでいた賃貸マンションでは、リビングに脱ぎっぱなしの上着やカバンが落ちていることがしばしば。片づけるのが面倒なうえに、置き場所もなく、ストレスがたまっていました。

しかし、今の家では、間取りを工夫したおかげでこのような問題が解決しています。詳しく状況を説明していきましょう。

乾いた洗濯物はハンガーにかけたままクローゼットへ

現在、脱衣所で脱いだ服は、そのまま洗濯機に。ランドリールーム兼用の脱衣所で、洗濯物を乾燥させる仕組みにしています。

乾いたシャツやアウターは、ハンガーにかけたままクローゼットへ。動線もコンパクトなので、スムーズに完了。以前の家のように、リビングに洗濯物を置きっぱなしにすることはなくなりました。

ちなみに下着やタオル類は、すぐ隣の洗面所にしまいます。

クローゼットは4畳。家族ごとに場所分けて収納

上はリビング側の入り口から、クローゼットの内部を撮影した写真です。広さは4畳。右側(寝室側)に枕棚+ポールつきの収納スペースが2か所あります。

この場所の枕棚には、普段使わないもの(裁縫セットや子どもの鍵盤ハーモニカや書道セットなど)、その下のポールに妻の私服や上着、子どもの上着をかけ、床はオモチャを置くスペースにしています。

そして、正面にも同様に枕棚とポールを設け、その下にたたんでしまう新生児の衣類などを収納する、タンスを2つ置いています。

枕棚には、普段使わないものを収納しています。でも、まだまだ余裕があります。これからリビングで散らかりそうなものが増えても、しばらくはここに収納できそうです。

左側(和室側)には、自在棚(高さ変更が可能)4段が2か所。ここには書類やミシンなど妻の私物、子どもの習い事グッズ、本、オモチャなどを収納。

子どもたちがオモチャを片づけるようになった

和室は子どもたちの遊び場になっています。クローゼットは、この和室からも直接行き来できるので、子どもたちもオモチャを取り出しやすく、片づけもしやすい様子。

現在、この和室は子どもの寝室がわりになっています。ですから、夜は必ず自分たちで片づけをしています。もし動線が長かったら、片づけをする習慣は、身についていなかったかもしれません。

寝室との間のドアは採用しないでよかった

こちらはリビングからクローゼットと寝室(奥)を見たところです。じつは当初、寝室からもクローゼットへ、直接出入りできるようにする案もありました。設計士もその方が使いやすいのではないかとのこと。

しかし、壁を削ってドアをつけると、そのぶん収納が減ってしまいます。もともと寝室とのアクセスは悪くないため、その案は不採用に。

寝室側にドアを設けることには、もうひとつ気がかりなことが。ドアをつくることで、寝室への音漏れがあるのではないか、と思ったのです。

和室は現在、プレイルームとして使用しています。間にクローゼットがあるとはいえ、ドアがあると、日中騒がしいはず。仕事柄、夜勤明けに仮眠をとる筆者は不安でした。

ドアをやめて壁にしたことで、音漏れはそれほど感じません。仮眠もしっかりとれています。

LDK側のドアを折れ戸を採用したことは後悔

大満足のクローゼットですが、後悔していることもあります。そのひとつが、LDK側のドア。通路が狭く開き戸だと、換気のためにドアをあけたままにするのは、難しくなります。

希望していた引き戸は、設計士に「出入り口横の壁の幅が狭いため無理」と言われ、折れ戸を選択しました。

それでも、あけているとやはり通路幅は狭くなります。また、複雑な形をしているので、子どもが足の指をはさんでケガをしてしまうことも。

筆者も何度か腕をぶつけています。新生児を抱っこして寝室に行くときは、ドアに注意しないといけません。

妻が「来客時に丸見えになるからドアがないとイヤだ」と折れ戸を採用しましたが、出入り口が多少狭くなっても引き戸にするか、ロールカーテンを採用する方がよかったと感じています。

夏は蒸し風呂に。窓はつけなくてもよかった。

ウォークスルークローゼットには、内部は暗くならないよう、大きめの窓を採用。しかし西側であることを考慮しておらず、夏の西日で熱気がこもります。

夏は、ドアをあけると、その熱気が主寝室側にまで流れ込み、寝室まで暑くなります。ですから、せっかくつくった窓も、カーテンを閉めっぱなしに。

照明はほとんど使わないと思い、手動スイッチにしていました。しかし、日中も使うならセンサーライトを、採用してもよかったと思っています。

このような後悔もあるクローゼットですが、洗濯家事や衣類整理が格段にラクになりました。また、クローゼットがリビングに近いことで、外から帰ってきた家族が、上着類やカバンをしまうようになったことも、うれしい変化です。リビングに上着やカバンが落ちていないと、筆者も気分がいいです(笑)。

子どものオモチャも余裕で収納できる、家族みんなが快適に使えているクローゼット。採用してよかったと思っています。