突然の水漏れ時も修理は管理会社に連絡しないとダメ?(buritora/stock.adobe.com)

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築10年の賃貸マンションに妻と2人の子どもと住んでいるAさん。ある日、Aさんが仕事を終え帰宅中にスマホを確認すると、Aさんの妻から「トイレで水漏れ発生!どうしたらいいの?」と連絡が入っていました。

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Aさんが急いで知人の工務店に連絡を入れると「うちを使わずに大家さんに連絡した方がいい」とアドバイスされます。妻に大家さんに知らせるように連絡すると「水漏れが大量でそんなの待てない!」と返事が返ってきました。

管理会社に連絡しようにも、その日は営業を終えており電話がつながりません。この場合、CMやチラシで目にするような水のトラブルを解決してくれる業者に連絡しても大丈夫なのでしょうか。不動産会社を経営している岡田浩隆さんに聞きました。

ートイレの水漏れに気付いた場合、まずするべきことは何でしょうか

まずは応急処置を行い、被害の拡大を防ぐことが先決です。具体的には「止水栓を止める」「電源コードを抜く」「床を拭く」の3つを行うといいでしょう。止水栓はドライバーやハンドルを使って閉めれば、トイレへの水の供給を止めることができるため、水漏れを止めることができます。

ー応急処置を行った次には何をするといいでしょうか

応急処置を終えたら、賃貸契約書を確認しましょう。契約書のなかで、室内の設備トラブルは、管理会社や大家さんに連絡し、相談するように書かれていることが多いです。

賃貸物件の所有者は貸主であるため、管理している物を修理する必要が出てきた場合には、大半が貸主が費用を支払うことになります。但し、借主の過失で壊してしまった場合は、自分で支払わなければなりません。

また、記述されている内容に従わず自己判断で修理をしてしまうと、後から費用を請求される場合もあります。

ただ自力で直せるほどの軽微な水漏れであれば、借主が負担すべきとする賃貸契約もあるため、中身を確認しておくことは重要です。もしも自力で直すのが困難だと判断したら、速やかに管理会社や大家さんに連絡してください。

ー管理会社や大家さんに連絡する際に気を付けることはありますか

水漏れの状況や、いつから発生しているのかなどを伝えることができれば、その後の対応がスムーズです。大家さん・管理会社と連絡が取れたら、携帯等のすぐに連絡が取れる番号をお伝えして、いつでも連絡が取れるようにして下さい。大家さん・管理会社が業者を手配して、その業者から連絡が入る可能性があるからです。

Aさん一家のトラブルのように、管理会社や大家さんに連絡がつかず、緊急的に対応が必要な場合には、自分で業者を手配することになります。その場合、かかった費用について領収書を必ず受け取るようにしましょう。管理人や大家さんが手配しようが、自分で手配しようが、基本的にはその費用は貸主持ちなので、領収書はちゃんと保管しておきましょう。

いずれにせよ個々の事情については、賃貸契約書の内容によって異なります。いざという時のために、賃貸契約書はすぐに取り出せるようにしておくといいでしょう。

◆岡田浩隆(おかだ・ひろたか) 不動産会社経営 前職は中堅ゼネコン勤務。20年で40棟以上の賃貸マンション等の建築・経営に携わっています。2022年に有限会社HIRO企画を引継ぎ、不動産の売買・賃貸・管理・リフォーム・建築まで大手では難しい細かいお手伝いをしています。

(まいどなニュース特約・長澤 芳子)