PayPayは、厚生労働大臣から「給与デジタル払い」対応事業者の指定を受けたと発表した。最初の対応事業者となり、新サービス「PayPay給与受取」を開始する。

 これにあわせ、ソフトバンクグループ傘下の10社は、9月分の給与から「PayPay給与受取」に対応する。希望する従業員が対象となる。

PayPay給与受取とは

 「PayPay給与受取」は、その名の通り、事業者(雇用主)からの賃金の支払いを、現金ではなくPayPayマネー残高で受け取れるようにするサービス。労働基準法施行規則の指定要件を満たしている。

 同サービスで受け取る給与は、新設される「PayPayマネー(給与)」となり、残高上限は20万円。上限を超える分は、従業員が指定した、本人名義の金融機関口座へ、手数料無料でPayPayから送金される。「PayPay給与受取」ユーザーのPayPayマネー残高上限額は80万円となり、PayPayマネーとPayPayマネー(給与)をあわせて上限100万円となる。

 PayPayマネー(給与)は、受取直後から、本人名義の金融機関口座へ送金できる。送金先がPayPay銀行の場合、手数料は無料。それ以外の金融機関では手数料100円がかかる。

 なお、PayPay銀行口座およびPayPay銀行以外の口座宛の送金のうち、PayPayマネー(給与)を含む、毎月初回分にあたる取引での送金手数料は無料になる。

 万が一、PayPayが破綻する場合、給与受取口座の金額と、PayPayマネーアカウントの残高相当額はPayPay指定の第三者保証機関によって弁済される。

 給与を振り込む事業者(雇用主)は、新たなシステム開発や、PayPayとの新サービスの契約は必要ない。PayPayが従業員に割り当てた、PayPayアカウントチャージ用の銀行口座へ振り込むだけとなる。ただし、事業者が給与デジタル払いに対応するには、労使協定の締結が必要で、従業員への説明・個別の同意取得も求められている。

ソフトバンクグループ10社での導入

 ソフトバンクグループ各社では、2024年9月分の給与からPayPay給与受取を開始する。8月14日には、他社に先行して提供され、手続きできるようになる。

 導入するのは、ソフトバンクグループ、ソフトバンク、LINEヤフー、PayPay、SB C&S、SBアットワーク、SBテクノロジー、SBペイメントサービス、PayPayカード、PayPay証券の10社。