EUがスマートフォンや家電などの修理を義務付ける法律を発効
資源の節約や廃棄物の削減を目的として、欧州議会は「修理する権利」の改善に取り組んでいます。スマホのバッテリー寿命を伸ばすことを義務化する法案や、交換可能なバッテリーを搭載する必要があるという規制案のほか、2024年4月にはメーカーに無料で修理することを義務付ける法案も採択されていますが、2024年7月30日には新たに「商品の修理を促進する共通規則に関する指令」が発効されました。
https://commission.europa.eu/law/law-topic/consumer-protection-law/consumer-contract-law/directive-repair-goods_en
Directive - EU - 2024/1799 - EN - EUR-Lex
https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=CELEX%3A32024L1799
欧州議会は2024年4月23日に、「修理する権利」を法的に規定する指令(Directive)を賛成多数で採択したことを発表しました。この指令では、保証期間内に壊れた製品の修理費用が交換にかかる費用と同等以下の場合、販売者は消費者に不便をかけることなく、合理的な期間内に無償修理することが義務付けられます。また、メーカーには修理を妨げるような条項やハードウェア・ソフトウェア上の技術が禁止され、スペアパーツや工具を適正価格で提供する義務も定められています。
メーカーに無料で修理することを義務付ける「修理する権利」規則をEUが採択 - GIGAZINE
続いて2024年6月13日に採択された「商品の修理を促進する共通規則に関する指令」は、修理可能な商品の早期廃棄を防ぐことを目的として、修理義務や修理サービスに関する情報提供のほか、修理のためのオンラインプラットフォームの運用、交換ではなく修理をした場合に保証を1年延長する仕組みなどが定められています。そのほか、EU加盟国は自国内での修理を促進するための措置を、何か少なくとも1つ講じる必要があります。
商品の修理を促進する共通規則に関する指令は2024年7月30日に発効され、加盟国は2026年7月31日までに国内規則に転換して適用する必要があります。
EUは、人々の幸福と健康の向上を目的とした「欧州グリーンディール」に力を入れています。欧州議会は今後、修理を促進するためのオンラインプラットフォームの開発と、修理義務が適用される製品リストの更新に取り組んでいく旨を示しています。