侍J・井端監督が大谷翔平と会わなかった“理由” ド軍戦2試合観戦も…「頃合いを見て」
現地でMLB4試合を観戦、鈴木、今永、吉田、松井、ヌートバーらと対面
11月に国際大会「ラグザスpresents第3回WBSCプレミア12」を控えている侍ジャパンの井端弘和監督が3日、8日間の米国視察を終えて東京・羽田空港に帰国した。MLB4試合を観戦し、カブスの鈴木誠也外野手、今永昇太投手ら日本人メジャーリーガーたちと対面。しかし、ドジャース戦2試合を観戦したにも関わらず、大谷翔平投手との対面はあえて回避したという。その理由とは──。
そもそも、11月に迫っている「プレミア12」には、例年MLB所属選手は参加しない。一方、井端監督は昨年10月に就任後、大会ごとに契約を更新するスタイルを取っているため、メジャーリーガーの出場が見込まれる2026年3月の第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)、野球が公式競技として復活する2028年ロサンゼルス五輪で指揮を執るかどうかは未定だ。それでも、現指揮官として日本人メジャーリーガーと継続的にコミュニケーションを取っておきたいという思いがある。
井端監督は「自分が監督をやるのか、誰がやるのかはわかりませんが、いま日本のためにできることをやりたいと思っています。(日本人メジャーリーガーたちに)2026年のWBC、その後のオリンピックを少しでも意識してもらえればと思います」と説明した。
現地ではボストンでレッドソックス-ヤンキース戦、サンディエゴでパドレス-ドジャース戦を2試合、シカゴでカブス-カージナルス戦を観戦。レッドソックス・吉田正尚外野手、パドレス・松井裕樹投手、第5回WBCに侍ジャパンの一員として出場したカージナルスのラーズ・ヌートバー外野手、カブスの鈴木、今永らと対面したという。
しかし、大谷に関しては「ドジャース(のベンチには)あえて行きませんでした。チームも、個人成績もいい位置にいますし、頃合いを見てでいいのかなと思います」。ただでさえ日米両方で注目され、ナ・リーグ打撃3部門でタイトル争いを展開し3冠王の可能性もある大谷を、全く別次元の話題で煩わせたくないと考えたようだ。
「今季を終えたオフなのか、来年のキャンプなのか、来季終了後か…」
また、昨年の第5回WBCでは投打二刀流フル回転で活躍した大谷だが、昨年9月に自身2度目のトミー・ジョン手術を受けた影響で、今季は野手に専念している。井端監督は「(次回WBCへ向けて現時点では)肘の状態がわからないと思うので、今季を終えたオフなのか、来年のキャンプなのか、はたまた来季終了後になるのかはわかりませんが、よきタイミングを見計らって、お会いできたらいいかなと思います」と控えめにラブコールを送った。
一方、対面した選手からは、総じて侍ジャパンへの熱い思いを感じ取った。特に鈴木は、第5回WBCのメンバーにも選出されていたが、左脇腹を痛めて出場辞退を余儀なくされた経緯がある。井端監督は「そこの意識はすごくあるようです。状態がいいのか、彼自身すごく明るかった。びっくりするようなホームランを見せてもらいましたし、彼に関しては、心配は怪我だけだと思います」と評した。
個人的な事情でチームを離れているパドレスのダルビッシュ有投手との対面もかなわなかったそうだが、米国に足を運んだ井端監督の思いは、米国で戦う“侍”たちに十分伝わったことだろう。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)