【闘病】生理ではなかった… 「子宮体がん」を発症し2度の再発も経験

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闘病者のみちさん(仮称)は2021年に子宮体がんが発覚し、子宮と卵巣の全摘出手術を経験されました。2度の再発も経験し、現在も治療を継続しながら生活しています。治療を始めてから日々の生活習慣にも変化があり、毎日を全力で過ごしているそうです。そんなみちさんの話から、子宮体がんへの理解と具体的な治療方法について理解を深めていきましょう。

※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2024年3月取材。

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体験者プロフィール:
みちさん(仮称)

家族と3人で暮らす30代女性。2021年に子宮体がんと発覚して手術された。追加治療なしで過ごしていたが、1年ほど経過したタイミングで1度目の再発。抗がん剤治療で大きく縮小したため経過観察していたが、激しい腹痛とともに2度目の再発を経験した。現在も抗がん剤治療を継続しつつ、経過観察を継続している。

記事監修医師:
鈴木 幸雄(神奈川県立がんセンター/横浜市立大学医学部産婦人科)
※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。

不妊治療を相談するつもりが精密検査を勧められる

編集部

初めに子宮体がんについて教えていただけますか?

みちさん

子宮体がんは子宮体部という場所にできるがんです。早期がんの段階でも不正出血が見られることが多いです。月経周期とは関係なく出血したり、閉経後にも出血があったりする場合には注意が必要だそうです。

編集部

みちさんが子宮体がんと判明したのは、どのようなきっかけだったのですか?

みちさん

私の場合、2021年に不妊治療の相談に産婦人科へ行ったことがきっかけでした。元々生理が不順で、ちょっとした出血もあったため「生理かな」と深く考えていませんでした。しかし、婦人科の先生から「一度検査してみましょう」と勧められ、精密検査を受けたら、「子宮体がんステージ1」と告げられました。

編集部

突然の出来事でかなりショックだったかと思います。

みちさん

診断されたときは、どこか他人事のようなフワフワした感覚になりました。「何かの間違いじゃないか?」と思いました。手術したとしても、その後の生活も心配でしたし、インターネットで子宮体がんについて検索しては、一人で落ち込んでいました。

編集部

医師からは病気や治療について、どのような説明があったのですか?

みちさん

「まずは子宮と卵巣の手術を行い、病理結果によっては抗がん剤治療も必要になる」と説明されました。その後の検査でリンパ節にも腫れが見つかったためリンパ節も取ることになりました。

編集部

手術やその後の治療はどのように進められたのでしょうか?

みちさん

子宮と卵巣の全摘出手術、リンパ節の郭清を行いました。私の場合はステージ1だったので、手術から1年ほどは追加治療なしでした。

編集部

みちさんは再発も経験されているそうですが、そのことも教えていただけますか?

みちさん

2022年に定期受診とは別で受けたMRI検査で、再発疑いを指摘されました。精密検査の結果、肝臓と腹膜への再発が発覚しました。抗がん剤治療のTC(パクリタキセル+カルボプラチン)療法を9回行ったところで奏功し、90%以上縮小したため経過観察に入りました。これが1度目の再発です。2度目の再発はその半年後、味わったことのない腹痛を感じて受診したところ、再再発と判明しました。2度目は免疫チェックポイント阻害薬のキイトルーダと、分子標的薬のレンビマによる治療を開始しました。現在は画像上ほぼ見えないレベルまで縮小しているため、同じ治療を続けています。

治療中に最も気を遣ったのはメンタルを維持すること

編集部

みちさんが治療を始めてから、生活面で変わったことや意識していることはありますか?

みちさん

一番気を遣ったのはメンタルがやられないようにすることです。朝日を浴びるためにウォーキングしたり、ストレッチして深呼吸したり、食事は野菜多めのバランスの良いメニューにしたりしました。「調味料を変えるのが一番早い」と思って、いろいろ買っていたので結構なお金がかかりましたが(笑)。

編集部

現在も治療を続けているとのことでしたが、治療で困ることなどはありますか?

みちさん

今でもキイトルーダとレンビマを続けているため、副作用の肌荒れ、手足の指の炎症、お腹を下す、粘膜の荒れなどがあります。それでも薬の量を調整しているので、うまく付き合えていると思います。治療を始めて間もない頃は、寝たきりに近い状態で筋肉も落ちてしまいましたが、今は元気で筋肉も戻ってきました。脱毛の副作用がある抗がん剤治療から1年が経ち、髪も短めのショートヘアみたいになってきました。そのおかげで趣味のバレーボールを再開し、運動を楽しめています。そして、病気を通して得た経験を、同じように悩んでいる方と共有できる場を作り、お互いに悩みや不安を打ち明けられるようにしたいと考えています。

編集部

みちさんが治療中に心の支えにしていたものは何でしょうか?

みちさん

私の場合は、何も変わらずにいてくれる家族や、友人の存在が大きかったです。病人扱いはしない、でも気遣ってくれる優しさに何度も助けられました。あとは同じ病気でも今も楽しく、元気に過ごされている方の本やブログなどを読み、勇気づけられていました。

早く発見できたからこそ治療できるチャンスがもらえた

編集部

現在の体調や生活についても教えていただけますか?

みちさん

現在もまだ治療中ですから、小さい副作用と上手に付き合いながら元気に過ごさせてもらっています。ですが、きっと「病気がある」と言っても、信じてもらえないほど元気です。ただし、やはり弱っている部分もあるので、疲れたら無理はせず休んでいます。時には家族にも頼らせてもらって、毎日普通に笑って過ごせています。

編集部

子宮体がんについて知らない人や普段意識して過ごしていない方に伝えたいことは何でしょうか?

みちさん

子宮体がんは女性特有の病気で、子宮頸がんと違ってあまり聞いたことのない方も多いと思います。検査をしても見つかりにくいですが、不正出血で気が付けばほとんどは早期がんで見つかるとのことです。非常にまれですが、20~30代でも罹患することはあるそうです。少しでも異変を感じたら、躊躇せずに病院へ行ってもらいたいと思います。

編集部

最後に読者の方へ向けてメッセージをお願いします。

みちさん

私自身治療中ですから、「病気を乗り越えたか」と言われるとまだ違うかもしれません。ですが、早くに病気が発覚したことで、治療できるチャンスをもらえたと思っています。治療ができずに大切な人とお別れしてしまう方もいらっしゃいます。普段は健康だと感じている方も、少しでも身体に異変があったら、怖がらずにまずは病院に相談してください。私や私の家族のような辛い思いをする人が一人でも減ったら嬉しいです。私も家族や友人、そして自分自身の大切な毎日のために今日も笑って過ごしたいと思います。

編集部まとめ

みちさんの話にもあった通り、子宮体がんは初期症状が不正出血くらいで、病気だと発見するのが難しいがんです。しかし、「何か普段とは違うな」「ちょっと変だな」と感じたときには、早めに受診すれば完治する可能性は十分にあります。自分のため、家族のためにもわずかな異変でも、発見したら医療機関に相談しましょう。

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