「Xperia 1 VI」&「Xperia 10 VI」のカメラで写真と動画をあちこちで撮りまくってきた作例いろいろ
ソニーのスマートフォンのフラッグシップモデルである「Xperia 1」シリーズには、デジタル一眼カメラ「α」ゆずりのこだわり機能を搭載した専用のフォトアプリ「Photography Pro」や動画撮影アプリ「Videography Pro」、シネマ撮影専用アプリ「Cinematography Pro」が搭載されてきました。しかし、「Xperia 1 VI」でこれらの撮影用アプリは1つに統合され、ステップ数や切り替えを減らした形で刷新されました。実際、どのような写真や動画が撮れるのか、いろいろなところへ持ち歩いて撮影してみました。
https://www.sony.jp/xperia/xperia/xperia1m6/
Xperia 10 VI | Xperia(エクスペリア) | ソニー
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新しいカメラアプリの起動直後の画面はこんな感じ。かなりオーソドックスなUIになりました。過去モデルのカメラアプリだった「Photography Pro」は複数搭載されたカメラを「24mm」や「50mm」のように焦点距離で表現して切り替えていましたが、新アプリは「.7」「1x」「2」「3.5 7.1」と、倍率で表現しています。なお、「.7」が超広角レンズ(16mm)、「1x」と「2」は広角レンズ(24mm・48mm)、「3.5 7.1」は望遠レンズ(85mm-170mm)です。右側の歯車アイコンをタップすると、各種設定画面が表示されます。
設定画面はこんな感じ。「縦横比」「タイマー」「フラッシュ」の状態をカスタムできます。その他の設定は「メニュー」をタップ。
「顔/瞳AF」や「美肌効果」、グリッドラインの表示やカメラ操作音などを切り替えられます。
カメラ操作音は「入:すべて」「入:シャッター音のみ」「OFF」の3種類から選べます。
撮影画面に戻ります。最下部に並んだメニューをスワイプすると、目的別のカメラに切り替えられます。「プロ」は露出やISOなどを細かく設定可能。
「DISP」をタップすると画面上に表示する情報量を変更可能。これぐらいぐっと減らすこともできます。
「Fn」ボタンをタップすると、撮影モードやAFモードなどの変更ができます。デジタルカメラを使い慣れている人なら、このモードでいろいろ設定したいところはあるかも。
「ぼけ」では、被写体周辺に強いぼけをかけてくれます。
「写真」はオーソドックスなモード。画面上部にある花のアイコンが反転して選択状態になっていますが、これは被写体が近いので初期設定でオンになっている「近接撮影」に入り、広角レンズから超広角レンズに切り替わったことを示しています。「近接撮影」は被写体から距離が離れると自動的に解除されるほか、アイコンをタップして手動で解除することもできます。また、自動で切り替わらないように設定することもできます。
「動画」は動画撮影モード。ここでも歯車アイコンをタップして、設定を開いてみます。
「解像度」「フレームレート」「ライト」「商品レビュー」の4項目がクイック設定可能。「商品レビュー」は画面中央にピントが合いやすくなる、商品レビュー撮影に適した機能です。「メニュー」をタップしてさらに細かい設定を見ていきます。
メニュー一覧画面はこんな感じ。下方向にスクロールするとグリッドラインやカメラ操作音など、「写真」と共通の設定項目も出てきます。
「スロー」はスローモーション動画撮影モードです。
さらに「その他」から「テレマクロ」「48MP」「ぼけ動画」「ライブ配信」「パノラマ」が利用可能です。
以下は実際に1 VIと10 VIを使って撮影した写真です。サムネイルは縮小したものを掲載していますが、クリックやタップ後に開く画像は元サイズそのままなので、1枚あたり数MBサイズとなっています。
1 VIで撮影した須磨の海岸。1 VIの特徴は全体的に明るく、より白く撮れるところ。
10 VIは1 VIに比べると少し暗めに写ります。
1 VIで撮影した垂水の「海神社」。電車の車窓から撮影したので、車内の反射が白く建物に重なっています。また、空が少し虹色のように変化している部分があります。
10 VIで撮影した「海神社」。ほぼ同じ場所で撮影したのですが、はっきりと緑の発色が異なります。
1 VIで撮影した明石海峡大橋。
同じく10 VIで撮影した明石海峡大橋。1 VIと比べて暖色に寄っています。橋桁の裏側に着目すると、1 VIの方が鮮明に記録できていることが分かります。
同じ位置から1 VIの超広角で撮影するとこんな感じ。手前のウッドデッキ部分まで入ります。
10 VIは1 VIの0.7倍よりもさらに広い0.6倍対応の超広角レンズを備えています。
1 VIの望遠レンズを用いて7.1倍の望遠撮影を行ってみました。望遠レンズは光学望遠ズームにより3.5倍から7.1倍まで対応します。
10 VIの広角レンズは等倍と2倍のほか、最大6倍までAI超解像ズームに対応。6倍撮影だとこんな感じ。ソフトウェアによりかなりきれいに補正されますが、光学ズームが勝るのは仕方がないところ。
なお、1 VIの7.1倍で橋の上の方を撮影するとこんな感じ。
1 VIで明石海峡大橋のたもとを見上げたところ。
同じ場所を10 VIで撮影。
1 VIで鉄骨にズーム、7.1倍。
さらにデジタルズームで最大21.3倍まで寄るとこんな感じ。
10 VIの最大ズームであるデジタルズーム6倍だとこれぐらいです。
奈良公園にいた鹿を1 VIで撮影。
同じ集団を10 VIで撮影。
あまり鹿の邪魔をしないように離れたところから撮影していたのですが、日が陰った状態だったこともあって、1 VIの21.3倍ズームだとざらっとした絵に。
10 VIの6倍ズームだとこんな感じ。
うまく撮れたつもりでしたが、鹿は絶えず頭を動かしていたので、アップで見ると耳のあたりに残像が出ているほか、ピントが合いきっていませんでした。1 VIで撮影したものです。
1 VIで撮影した、ぽつんぽつんとあちこち散らばって草を食べる鹿。
これも1 VIで撮影したお休み鹿。
鹿を1 VIで動画撮影するとこんな感じでした。4K・60fps設定です。
Xperia 1 VIで撮影した鹿 - YouTube
10 VIでも同じように鹿を動画撮影してみました。10 VIでは4Kだと60fpsは選べないため、4K・30fps設定です。
Xperia 10 VIで撮影した鹿 - YouTube
1 VIで撮影した太陽の塔。
同じ場所から撮影した太陽の塔。同じ日、同じ時間の撮影ですが、10 VIだと空の青さがかなり濃く出ています。
1 VIで撮影した花壇。
同じ花壇を10 VIで撮影。ここも、緑の発色が1 VIより濃くなりました。
1 VIで木漏れ日を見上げて撮影。日陰部分の葉っぱの輪郭もくっきり描写できています。
同じ木漏れ日を10 VIで撮影するとこんな感じでした。
大地の池から太陽の塔方向を向いて、1 VIで48MP撮影した写真はこんな感じ。クリック後は8000ピクセル×6000ピクセルで11MBあります。
太陽の塔の辺りを等倍で切り抜くとこんな感じ。
大地の池の流れを動画撮影してみました。まずは1 VIで4K・60fps設定です。
Xperia 1 VIで撮影した水の流れ - YouTube
10 VIは4K・30fps設定です。
Xperia 10 VIで撮影した水の流れ - YouTube
スローモーション撮影の設定はどちらも大きく変わりません。まずは1 VI、フルHD・30fpsで速度は1/4。
Xperia 1 VIで撮影したスローモーション映像 - YouTube
同じく10 VIでスローモーション撮影、設定はフルHD・30fpsで速度1/4。
Xperia 10 VIで撮影したスローモーション映像 - YouTube
茨木市役所近くに立つ茨木童子を夜に1 VIで撮影。交差点のそばなので、行き交う車のライトなどがありますが、茨木童子そのものを照らす照明はありません。
10 VIで撮影するとこんな感じ。暗くてあまりうまく撮れませんでした。
茨木市文化・子育て複合施設「おにクル」前の緑地を撮影したところ。1 VIは目で見るよりも明るくなる印象。どこにピントを合わせればいいのか難しいこういう写真でも「とりあえずシャッターを切っておきます」という感じで撮ってくれるので、「その場に何があるのか記録したい」というときに助かります。
10 VIはブレてしまいました。手持ち撮影なのでこれぐらいは仕方がないといいたいところです。
近くの水路を動画撮影してみました。どちらも肉眼で見えている様子とは異なり、1 VIは明るく映っています。実際には水路の向こう側の壁はこんなにはっきりとは見えません。
Xperia 1 VIで撮影した夜の水路 - YouTube
一方、10 VIは見えているより暗く映り、街灯が手すりに反射しているのがなんとか見えるものの、それより向こう側の水路部分は真っ暗になっています。実際には、水路にもかすかに街灯の光は落ちていて、水面がわずかにきらめくのが見えます。
Xperia 10 VIで撮影した夜の水路 - YouTube
続いてごはん撮影。近所のネパールレストラン・バルピパルで注文したダルバートを1 VIで撮影。米や豆の粒がくっきり描写できています。
10 VIも同じように撮影したのですが、色がうまく描写できず。
1 VIで撮影した、豚のタンドール焼き。脂のテカリがいい感じ。
10 VIもテカリはうまく拾ったのですが、やはりピントの合う範囲が狭くなって、全体的にボケてしまいました。
ごはん撮影時には、1 VIと10 VIそれぞれに特徴的な動きがありました。まずは1 VI、被写体に接近することで近接撮影への自動切り替わりが発生しています。
Xperia 1 VIで肉を撮影しようと近づいたときの近接撮影への自動切り替わり動作 - YouTube
10 VIは少しフリッカーが入っているほか、肉に近づくと黄色い皿の影響か、オートホワイトバランスの調整が極端になってしまい、テーブルや肉が紫がかってしまう場面がありました。
Xperia 10 VIで肉を撮影しようとしたときのオートホワイトバランス調整の様子 - YouTube
最後に1 VIで特徴的な、望遠レンズを用いた「テレマクロ」撮影をしてみました。「テレマクロ」モードはこんな感じの画面。オートフォーカスはなく、赤枠内のスライダーを使ってマニュアルでフォーカスを合わせます。ピントのバシッと合った写真を撮影するには、ピーキング機能の活用が鍵です。
ぐぐっと近づいてこのような撮影もできます。
撮影の様子はこんな感じ。単に最短撮影距離が近いだけではなく、望遠レンズを使っているので、小さなものにバチッとピントを合わせられます。
ばっちりピントを合わせて撮影すればこんな感じに。
普通のスマートフォンのカメラでは撮るのが難しいような写真も撮ることができます。
写真に関しては、1 VIと10 VIでそれぞれ異なる味がある印象で、特に1 VIは明るく撮影することにかけては非常に力強い端末だと感じました。一方で、暗いところでもそれなりに明るく補正してしまうため、暗さを味とした撮影をするのは難しそうだと思いました。
今回、1 VIと10 VIにはずっと純正アクセサリーの「Style Cover with Stand」をつけっぱなしにしていましたが、外したいと思うタイミングは訪れず、むしろ、手に持って操作するときにはリングストラップに指を通して持つことで端末が安定し、撮影時にはグリップにちょうど指がかかって持ちやすく、画面を下にして置いてしまっても直接当たらないようにガードしてくれて、いいことずくめでした。特に、1 VIは撮影アプリ内のシャッターボタンを押すよりも、独立したシャッターボタンを使うことが多く、小さなことかもしれませんが、グリップがあることで非常に助かりました。
1 VIはこれまでXperia 1シリーズの伝統になっていた「アスペクト比21:9」が破られた製品で、画面解像度も4KからフルHD+に引き下げられています。しかし、4K解像度のスマートフォンに慣れた目で見ても「フルHD+ではダメだな」と思うような場面はまったくなく、むしろバッテリー駆動時間が伸びるのならこっちの方が良いと思うほどでした。
Xperia 1 VIとXperia 10 VIは、各キャリアでの扱いのほか、ソニーストアでSIMフリーモデルの扱いがあり、1 VIはスペックによって税込18万9200円から販売。10 VIは税込6万9300円での販売となっています。
Xperia 1 VI(XQ-EC44) 購入 | Xperia スマートフォン(SIMフリー) | ソニー
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Xperia 10 VI(XQ-ES44) 購入 | Xperia スマートフォン(SIMフリー) | ソニー
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